一塁手の弱点
名古屋を本拠地に置く球団の一塁手のかたが火曜日の試合におきましてファールフライを追い掛け落球。捕ればチェンジ。同点で終わった場面でありましたが、こういうことがありますと往々としてそのあとは……。となってしまったのでありましたが、その選手。一塁の守備に関してましてはショートバウンドの処理など何気なくやっていますが、けっして守備に問題のある選手ではありません。むしろ上手な部類に入るような……のかたでありまして。
……とそんなことを思っていましたところ。昔、東京にある球団と神奈川にある球団で共に活躍され、野手のステータスの1つであります(最近2000安打と言うんですよね。)2000本安打を達成されましたかたがいらっしゃいました。彼。ファーストの守備はピカイチでありまして、10度ものゴールデングラブ賞を受賞された名一塁手であったのでありました。そんな彼の中におきまして、彼が得意としている一塁の守備の中で1つ大きな弱点を抱えておりました。それは何か?と申しますと
『ファールフライ』それも後ろに飛ぶファールフライの処理でありました。
後ろの打球を追う時の基本と言えば基本であります半身の態勢でその名手のかたは打球を追われていたのでありましたが、それでもファールフライが彼のエリアに飛んで来ますと、ファーストベース上で魅せます悪送球を何事もなかったように処理することにより、特に若手野手がイップスになることを防ぐ。普段の彼の姿はそこには無く、敵側にとっては喜劇。味方にとっては悲劇を予感させる……。そんな光景をしばし目にしたものでありました。
似たようなことは三塁手にも言えることでありまして、一塁手、三塁手共に普段活動しているところはラインの内側。それも前でありますのでラインの外側に意識を置いてプレーしているわけではありません。ラインの外側の前ないし横ならまだ……でありますが、正直後方につきましては
『頼むセカンド(ショート)』
二塁手と遊撃手は360度ケアする仕事でありますので。
更に一塁手の場合。常に一塁ベースに縛られるポジションでありまして、これが併殺プレーの二塁ベースの場合、案外踏まなくても大丈夫なのに対しましてファーストベースはそれが許されない。片方の足は絶対一塁ベースに触れていなければならないことに加え、内野のゴロに関する最終責任者が一塁手になる。それだけ重い責務を実は一塁手は担っている。
ですから一塁後方に飛んだ打球に関しましては
『セカンドお願いします。』
俣彦の【野球噺】 俣彦 @k_matahiko
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