第31話 無償

仕事を辞めることにした。

採用時と現実が違い過ぎる…会社にも都合はあるのだろうが、僕にも生活がある。


散々悩んだ、その結論だ…後悔はないだろうが、不安は大きい。

若くも無い…経験も特定の業務に偏っている。

専門家ではあるかもしれないが、オールラウンダーではない、つまり的は狭い。


友人に、辞めることを伝えると、食事に誘われた。

相変わらずなマイペースに振り回されて4時間ほど彼のペースに付き合った。


付き合った…つもり…。

でも違う。

きっと、僕のために彼が付き合ってくれたのだ。


幸せ…とは言い難い今と現実、だけど絶望を受け入れるには、まだ…。

そう思わせてくれる、友人が…想い人がいる。


僕の隣で歩む『死』…ずっと隣で歩いてくれていい…でも、もう少しだけ、僕は歩んでみるよ。


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心に降る雨、そこに差す傘 桜雪 @sakurayuki

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