第30話 転機

誰にでも、分岐点というものは訪れる。

その時々の判断の結果が、今の自分を作ってきたと言える。


僕の今は…過去の僕が判断を間違った結果だ。


それは誰のせいでもない。

すべては、その時、その時の僕のせい。


転機とは、必ずしもチャンスや希望を連れてくるわけではない。

そして選ばざるを得ない状況に立たされることもある。

どちらを選んでも…そういう選択もある。


全ての過去をやりなおせたら…。

僕は、そんなふうに考えない。

やりなおしても、僕という人間が変わらなければ、いずれ今の状況を招くように思えるからだ。


不幸と言うのは、必ずしも状況を差す言葉ではない。

その状況を産み出す自分の形容詞だとも言える。


僕は…誰よりも自分を不幸にしているのだろう。

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