メリ×スレ

芳川見浪

メリ×スレ

 神根島基地にある零戦部隊が保有する格納庫の一つ、出来たばかりでまだ何もロールインされてない綺麗なハンガーにて二体のレヴァンテインがねっとりと絡み合っていた。

 

 二体の内の一つ、レヴァンテインメリッサ・グラムの熱を帯びた硬いヴァイブレードが、残るもう一機のレヴァンテインダインスレイフの排熱機関に挿しこまれる。

 機械油ローションを塗りたくったそれは、ヌプヌプといやらしい音をたてて奥へ奥へと向かう。

 

 スレイフは自身に襲い来る快感に耐えきれずくぐもったモーターの回転音を響かせた。

 

 スレイフの喘ぎモーター音を聞いて調子づいたメリッサは次にダインスレイフのコックピットを指で弄る。

 

 更なる快楽のあまり漏れるモーター音を堪えながら、スレイフはおかえしとばかりにメリッサのヴァイブレードに指をあてがいより深く排熱機関に入るように自身の腰を動かした。

 

 今度はメリッサが苦悶のモーター音を聞かせる。更にメリッサは排熱が追いついてないのか、機体から仄かに蒸気がたゆたい始めた。

 

 メリッサは快楽に身を捩らせている。しかしそれでもヴァイブレードのピストンの勢いは衰えない、むしろ激しさを増している。

 

 いつの間にかスレイフも機械油ローションまみれの高周波ナイフをメリッサの排熱機関に挿し込んでいた。

 二重の快楽が信管を通して伝達信号となり、メリッサのAIに直接の刺激を与える。

 

 そしてメリッサの鋼鉄の体が小刻みに痙攣した後、エネルギー切れを起こしたようにグッタリと機体をスレイフに預ける。

 イッテしまったのだ。

 剥き出しのヴァイブレードからは決壊したダムのようにドクドクと水銀の混じった機械油ローションが垂れ流れている。

 

 だがそんなメリッサを気遣う素振りは見せず、スレイフは容赦なく高周波ナイフを激しく震わせる。

 メリッサの体を再び快楽の信号が駆け巡る。AIはショート仕掛けており最早正常な判断はつかない。

 

 次第に激しくなるスレイフ、高周波ナイフの動きに合わせて腕部搭載シールドの裏から伸びる砲身が高温を発するようになる。

 メリッサと同じく小刻みに痙攣した後、スレイフは脱力した状態で光粒子兵器を直上へと撃ちはなった。

 

 破砕した天井の破片が熱で溶けて白濁の液体となって二体の機体にポタポタと降りかかる。

 

 メリッサはスレイフを胸に抱きながら突き破られた天井の向こう、青い景色を眺める。

 終わったのだ、もう……終わったのだ。

 

 ふとスレイフがむくりと起き上がった。何事かとメリッサが見つめると、スレイフは綺麗な高周波ナイフを取り出した。

 

 

 二戦目の始まりである。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

メリ×スレ 芳川見浪 @minamikazetokitakaze

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ