第12話 文明イノベーションのトリガーを引こうとしている
2014-09-03 21:31:05
テーマ:断片的な自伝(笑)
このブログに「断片的な自伝」というカテゴリー(テーマ)を作った。今日は書いておきたいことがある。2回目以降はどうなることやら・・・まあ、どうでも良い。
私のコピーライターとしてのデビュー作は
「中尊寺ゆつ子は文明イノベーションのトリガーを引こうとしている」(ペンネーム、野羽隆)(「スイートスポット」週刊SPA!、扶桑社)だ。
デビューと言っても読者投稿であり、謝礼があったのかどうかも記憶にない。もちろん、雑誌すら手許にないので、発行日もわからないが、90年代前半のことだ。
30歳の頃、普通の会社員だった私は、あることをきっかけに、自分の使命が新しい社会科学を構想することであり、文明イノベーションのトリガーを引くことだと強く思った。いや、妄想ないしは錯覚が生まれたと言うべきか。大学での専門は経営であり、会社でも極めてビジネス的な実務をしていた人間だ。社会科学についての教養があるわけでも、深い専門知識があるわけでもない。しかし、独身の私は休日には夢中になって専門書を読み、いくつもの懸賞論文に応募した。学術論文では本名で賞を取ったこともあるが、政治的あるいは社会的なものについてはペンネームで投稿していた。それもあってか、最終選考に残ることはあっても、賞を取ることはなかった。
インターネットの時代になり、2011年の「911」で愕然とした。俺の叡智を世界のために、などという不遜な思い上がりからウェブサイトを作り情報発信、意見交換を開始した。いろいろな人との出会いがあった。エッセイの執筆依頼に応じたり、銀座で寿司をご馳走になったり。こうして、私は自分の能力に間違った自信を持つようになったのだと思う。つまり、自己評価を誤り、浮かれたのだ。
反面、臆病でもあり、慎重でもあった。政治的立場やタブーを知らない素人が言論の世界に近づくのは危険だと考えていた。特に身分は一般人であり、一会社員だ。会社にバレるのもまずいわけで、実名で有名になるなど、飛んでもないリスクだと考えていた。今思うと、そんな小便小僧が文明イノベーションのトリガーなど引けるはずもない。大笑い海水浴場(大洗海水浴場ではない)だ。
会社を辞めて3年以上が経った。いろいろと身軽になったし、白井京月という名前も定着したように思う。なにしろ、それまでは各領域でそれぞれの名前を使っていたのだから、何かと面倒だったのだ。いまでも、趣味などのプライベートで実名を使える人たちは気楽で良いなと思う。もちろん覚悟があって使っている人もいるだろうが、リスクを考えない人が多過ぎる。不思議な人が多過ぎる。
「で、どういう文明イノベーションを構想したのか?」だって。
それは苦難と変節の物語だった。
最新の状況については、「次世代文明の誕生」をお読みいただきたい。
「なんだ、1回目から宣伝かよ!!」
そんな声も聞こえてきたので、1回目はこの辺で終わりにします。
「それって自爆?」
「いえ、自縄自縛(じじょうじばく)でございます。はい。」
私の履歴書 白井京月 @kyougetsu
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。私の履歴書の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
精神疾患日誌/白井京月
★53 エッセイ・ノンフィクション 連載中 729話
狂った季節/白井京月
★19 エッセイ・ノンフィクション 連載中 30話
知識人のための36章/白井京月
★3 エッセイ・ノンフィクション 連載中 12話
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます