第1話-変わらない日々の終わり



『いきなりなんだが、パラレルワールドって存在すると思うか?』



1.no name

さぁな


2.no name

あると思う


3.no name

パラレルワールドって何?


4.no name

知らないのかよw


5.no name

今俺達がいる現世とは、また少し異なった異世界の事


6.no name

付け加えると、現世と同じ時の流れを刻み異なった歴史を刻む世界。平行世界ってよく言うだろ


7.no name

異世界って言っちゃうと、ファンタジックなイメージが強くて語弊があるな


8.no name

>>7詳しいな


9.no name

>>8今異世界物の小説書いてるんだよ。読みたい人は→Isekai_tenni_writenovels


10.no name

>>9要らね


11.no name

>>9宣伝乙。読まねぇ


12.no name

>>10Σ(゚д゚lll)


13.no name

>>9話ずらすなよ、パラレルワールドの有無についてだろうがよ


14.no name

少し調べてきたよ。ウィキによるとどっかの学者さんが平行世界を別名『時の脇道』とも呼んでるらしいよ


15.no name

何それ格好良い。ん?なら異世界って言い方違くね?


16.no name

平行世界って言うと、タイムパラドックスが有名だよな。異世界にはタイムパラドックスなんて無いしな


17.no name

謎用語キタww


18.no name

>>17↑ここに馬鹿が居るぞ


19.no name

タイムパラドックス無しにパラレルワールドは語れないなぁ


20.no name

おかず無しに皆トイレ行けないのと同じか…悲しいな


21.no name

>>20勿論です……って心の声が出てしまった。


22.no name

タイムパラドックスってのは、二つの平行世界が交わった際に生じる矛盾調整みたいな現象だな


23.no name

>>18馬鹿って何だよてめぇ


24.no name

矛盾調整とか初耳だわw


25.no name

一つの世界に二人の同一人物は存在出来ないだろ?Aの世界から来たXがBの世界にいるXに遭ってしまったらそこで世界間に矛盾が生じる


26.no name

>>25一つの世界に二人の同一人物は存在出来るんじゃね?


27.no name

>>23何も知らねえのに首突っ込むな馬鹿。無駄に長くなんだろ


28.no name

>>26訂正する。存在する事は世界の理に反する。二人のAが出逢ってしまったらタイムパラドックスが生じる


29.no name

Aの世界のXの存在が消されるんだな。邪魔な奴は削除!


30.no name

あれ、タイムパラドックスって矛盾が生じてからじゃ既に遅くね?矛盾が生じる直前にタイムパラドックスによって矛盾が生じなかった状況に書き換えられるんじゃ


31.no name

矛盾が起きたらあり得ない事実が生じたと言う事実が歴史に刻まれて、それこそタイムパラドックスじゃどうしようも出来ない


32.no name

>>27お前が反応しなけりゃ良い話だろ無視しろ


33.no name

結局タイムパラドックスが何なのか逆に分からなくなってきた件


34.no name

>>31解せぬからもっと噛み砕いた説明早よ


35.no name

>>34ウェブで『親殺しのタイムパラドックス』って検索しろよ。ここで語るにゃ長すぎる


36.no name

>>32生きる為に何の能力も持ってねぇくせに指図すんな


37.no name

このスレの原点『平行世界は存在するのか』は『シュレーディンガーの猫』が証明してくれる


38.no name

いやつまりその猫ちゃんは何してくれんの?


39.no name

>>38空想上の物、架空の存在が本当にこの世に存在する場合と存在しない場合どちらも正しいと証明してくれる


40.no name

>>39そんな事は…無理じゃね?


41.no name

>>36辛いもの食って即座に乳首が立つ能力を持つ俺によくそんな事が言えるな


42.no name

www


43.no name

くだらねぇから止めよwww


44.no name

>>40答えがどっち付かずな場合、そのどちらも正解となる。猫はこんな事ができる優秀な生き物なんだ


45.no name

マジかよw


46.no name

もはや猫は神です。


47.no name

>>44でもそれってかなりの極論じゃ無いか?


48.no name

>>47確かにそうだが、否定だけでなく肯定の要素を含む場合の考え方も必要だってことだ。何でもかんでも否定して、自分の好きなものだけ残すなんてやり方、嫌だね


49.no name

>>41嘘だろ…俺には対抗する術が無い………すいませんでした


50.no name

wwwww


51.no name

wwwwwww



管理人Everett

『という事は、結果平行世界は存在するという事ですね。荒らしコメを打つ人のいない世界も有るのでしょうかね』




そもそも、パラドックスとは「逆説」を意味し、タイムパラドックス自体が平行世界間で起こる矛盾そのものだと言うコメントを打とうとした所で諦めた。言葉の意味を理解してはいないが、存在すると言う結論は変わらない様子だ。


「……くだらないことで言う争う奴も居るんだな」


と、さっきまで画面にかぶりつく程に見入っていたスレに誰に対してなのかが全く不明なケチをつける。即座にウィンドウを閉じて、一つ前世代のパソコンをスリープさせて、椅子から立ち上がった。

痺れる足を軽く回しながら、狭い部屋のベッドへと倒れ込む。

愛用のベッドは数年間自分の眠りを支え続けた所為で、弾力が衰えている。布団も掛けずに目を閉じて、睡魔の降臨を待つ。


父親が建てた夢のマイホーム。その家の二階の一室の使用人ーー篠村 京士郎(しのむら きょうしろう)は堕落歴四年目の引きこもりだ。引きこもりのくせに寝る時間は特別早いので、日中睡魔が降臨することは無く、(引きこもりにしては)規則正しい生活を送る。

無論ゲームのフレンドからは引きこもりとは言い辛いと言われているが、それは違う。

高校には入学したが、総登校日数は2日。友人も居ない。中一の頃に全て失った。

そんな絶対に誰にもする事は無い、悲しい自己紹介を脳内で思い浮かべながら思う。


「…初対面でイメージ最悪なのは確定。…それに、誰が聞きたがるんだよ」


消し忘れた部屋の電気を消しに立つ。

すぐに明かりは消え失せ、部屋を影が満たす。

再び二人が寝るには窮屈に感じるベッドにダイブ。

さて、明日もバイトか…。と変わりの無い日々の予定を繰り返し確認し、本日二度目の睡魔の降臨を待つ。


…………隣から、京士郎のものでは無い、すうすうとテンポの良い寝息が聞こえた。

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フィンインザブランクス 日巡(ひめぐり) @HimegurI923

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