第1章 2話 初めまして

「う……?」

瞼の隙間から明るい光が入り込んでくる。天井が見える。光の正体は天所につけられたランプか、そんな思考を巡らせ、自分がいるのはどこかの部屋だということに気がついた。起き上がり、周りを確認する。自分が寝ているのはベッドのため、奴隷商人に捕まったわけではなさそうだ。さしずめ、どこかの診療所に運び込まれた、といった所だろう。

あの少女に蹴られた部分が痛い上に、体をうちつけたせいか背中も痛い。骨はやられていないが、痣になっているだろう。

「あら、目が覚めたんですね!」

視界の外から少女が視界へ飛び込んでくる。あの金髪の少女では無い。その少女は白髪に黄色と青のオッドアイというなんとも風変わりな風貌をしている。あの少女と違い、白に青地のラインが入ったセーラーカラーのシャツにハイウエストの青いデニムスカートを着ており、とても女の子らしい印象だ。年は自分と同じぐらい、十五、六歳といったところだろう。

「あの、ここって……?」

「護衛探偵社ですよ。先ほどはすいませんでした。うちのメアリーが……。」

彼女は申し訳なさそうな顔をする。

あの蹴り飛ばしてきた少女はメアリーというのか。というか、

ここは診療所ではなく、私が入社する予定になっている護衛探偵社だったのだ。

「うちの新入社員の方ですよね。初めまして。私はオルスタシアと申します。ファミリーネームはないので気軽にファーストネームで呼んでください。あと敬語で話されるの苦手なのでタメ語で話して貰えると有難いです。」

オルスタシアはにこりと笑い左手を差し出す。私は彼女の手を握り握手をした。

「初めまして。オルスタシア。私はシャーロット・アーチャー。これからよろしくね。」

「ええ。よろしくお願いします。」

するとその時、

「おい、オル。」

少女の声がした。

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護衛探偵社のきままな日常 @yumekano20240815

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