香りが伝わってきました。 港町の潮の香り、猫に顔を埋めたときのお日様のような匂い。丁寧に淹れられた珈琲のかぐわしい香り、トーストが焼き上がる香ばしい匂い。シナモンの甘い香りにガーリックのつんとする匂いまで、まさに文章から「匂い立つ」という表現がぴったり。 どちらが優位かまるでわからない二人の絶妙な関係も含めて、何から何まで心温まる、そんな素敵な物語でした。