第13話
身体中の水分が抜けたのではないかと思うほど泣いた。
そして、ふらふらと病院の玄関を出る。僕も幽霊みたいだ。
外はいつの間にか初雪が降っていた――
あっという間に彼女の葬儀が終わり、墓が建った。街を見下ろせる山の中腹にある霊園の一角だった。
それを見て、やっと僕は彼女という存在の喪失を受け入れることができた。
いや、受け入れるしかなかった……
「次は、○○、○○です」
昔のことを思い出しているうちに、いつの間にか最寄り駅に着いてたみたいだ。
改札を出ると、鉛色の空からちらちらと白いものが降ってくるのが見える。
――初雪だ。
すこし、寄り道をしよう。
初雪 ホウボウ @closecombat
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