リョウは自分が何処から来たのか分からないらしく、いわゆる記憶喪失というやつらしい。唯一自分の名前だけ答えられた。


 背が小さく、年齢も定かでなく青年というより少年に見える。そして、顔立ちはどちらかと言うと女性のような可愛らしい顔をしていた。


 そしてとても変わっている少年だった。


 頭領バルドの計らいでうちで預かることになったが、たまにぶつぶつ一人で喋っていたり、にやにやと笑っている時がある。そんな変わった少年だが、料理や洗濯などの家事や炊事は非常にてきぱきとこなし、手慣れていた。

 なんといっても彼の作る料理は見たこともないもので、味も申し分なかった。


 リョウはとても明るい性格で、ここが山賊のアジトなのが分かっても何にも物怖じせずに、いやむしろ喜んでいたようにも感じた。やはり変わっている奴だ、とシーダは思った。


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アラサー腐女子が異世界に行ったら男になっていた件。 雪美 @miu_19

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