自分の支配する世界に転生してきた勇者を一瞬で倒す

ミスター

転生とは

最近、転生する奴が多すぎる。


転生してきて、自分には魔王を倒せる力があるって思いこんで、そして最初の戦いで死ぬ。

そんな奴らが多すぎる。


つまらない。とてもつまらない。


いや、まだそこそこ実力があって私を倒しかけるんだったら満足だよ?でも弱いじゃん。雑魚じゃん。


時たまに私の城まで来る奴もいるけど、私の下まで来れないし。


転生させてる神もなんなんだ。やる気がないのか?


舐め腐ってやがるよ私を。


「閣下、また何奴かが転生してきた模様です」





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「あなたは勇者として選ばれました!さあ、異世界に行って魔王を倒し、世界に平和を取り戻すのです!」


自殺したらいきなりこうなった。有無を言わず異世界に飛ばされている途中だ。


でもまさか転生できるとは思ってなかったなあー。この36歳無職、童貞キモデブオタクの俺が。


あの人生はこうやって転生するためにあったんだなあ……そう考えたらあの人生もいいもんだと思い始めたわ。


これから俺はイケメン勇者になって、魔王ぶっ倒してハーレムを築く…デュフフww最高ww


まあどうせ転生できるんだし最強状態でしょ?だったら魔王なんて楽勝よ。


じゃ、適当に頑張るかー。





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舐めてんなーこいつも。腹立つわー。魔王なんだと思ってんの?支配してんだぞこっちは。


大体そんな簡単に魔王倒せるなら転生の枠もうないっての。もっと頭使えや。



「なるほど。じゃあ行ってくる」


「どこへです?」


「こいつの転生してくるところ」


「閣下!ついにタブー犯すおつもりで!」


こいつも考えが古い。いきなり倒すのが何故タブーなんだ。


「タブーもクソもない。この世界は私がルールだ」


「それもそうですね!いちいち転生倒すのもめんどくさいんで行ってらっしゃいませ!」





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ここが異世界かー。おっ、俺イケメンになってる。やったぜ。


とりま、かわいい女の子でも探しますかー。



「おいそこの、待て」



んだようるせえなあ……勇者様そこのとかいい度胸してんなあ!



「なんだ?ていうかお前誰だ?」


「私か?私はこの世界を支配する者だ。皆からは『魔王』と呼ばれている」



へー魔王ね……


へっ?魔王って言ったこいつ?



「はっ?冗談きっつwwあまりにも大嘘過ぎて草生えるわwww」


「草に草を生やすな。私が決めた憲法に定められている」



えっ……こいつマジで魔王?だったらもうこの冒険終わりかww



「だったらこっちとしても楽だなあwwすぐぶっ倒してやるぜ」



よーし、この腰の剣で……



「魔王を舐めるな」



ビー



「へっ?」



弱弱しい音がする、手の抜いたビームが俺の心臓をぶち抜いてるんだけど……



「えっ……俺……」


「私は強い。お前は弱い。ただそれだけだ」



意識が遠くなっていく。体が動かない。俺……何もできずに……死にたくない……





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やっぱり弱い。まだまだ私の体制は続きそうだな。


では、今日もトレーニングだ。





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