いつもおどけた様子で怖い話をするタイリクオオカミ先生の、本当に怖い話。
この『部屋』に入ったのがヒグマやヘラジカだったら「ちょっと厄介な敵がいたなあ」で済まされていただろうところ、感受性の強いタイリクオオカミだったのが幸い中の不幸といったところか。
いや、『部屋』の中の彼女にとっては不幸中の幸いだったのかもしれない。少なくともタイリクオオカミは生涯彼女のことを忘れないだろう。
もし他のフレンズが『部屋』に入っていたら――というIFも見てみたい話だった。
かばんちゃんならすったもんだの末に幸運と勇気の剣を受け取って生還しそうである。