poisennes

ういろう

第1話 ハジマリ

春。春といえば桜。そういう人は少な


くない。そんな固定概念が嫌いだ。


そんな事を考えながらいつも生きてい


る彼、相沢七種は見慣れない校門の前


にまるで水準点に立っている棒(?)の


ように突っ立っていた。



普通なら、新しい学校楽しみだなー


とか 友達できるか不安だなーみたい


な事を考えるのが普通だが、やはり悪


い意味で常人ではない彼は「ここの学


校の先生に暴力教師みたいな人がいれ


ば退屈が紛れて面白そうなんですが


ね」と呟く。


こんな性格が故に中学時代、彼は一切


友達ができなかった。いや、作らなか


ったの方が正しいのかもしれない。


ただ、彼は親の影響で勉強漬けの日々


を過ごしていたので何ら気にしていなかった。


そしてこれからも友達を作る気は無い。



時刻は8時25分、ホームルームが始まる5分前のチャイムが鳴った。


こんなところで遅刻して大学進学に影


響させたくない彼は、無言でスタスタ


と足音を鳴らしながら教室に向かって


歩いていった。

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poisennes ういろう @uiro-to-make-sad

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