スコア
ギンギツネはいた。ゲームコーナーに。
「入り口にいなさいって言ったでしょ!」
あの心配は何だったのか。
「見て、ここなんだけど。」
ゲームの機械にはNEW!の文字と共にランキングが表示されていた。キタキツネは文字が読めないが、ゲームの成績がいいと上に何かが表示されることが経験で分かっていた。
「すごい。ボクのどの記録より上だ。あのコどうやったんだろう。」
「そんなことより何かがここを通ったでしょ!」
「ううん、何も通らなかったよ。…たぶんここには来なかったんじゃない?上の方から音がしたし。」
「ここを通らずどこを…あの変な穴か!」
温泉施設はその性質上、湿気がこもらないように通気口がいくつかあった。
そして慌てていたギンギツネがここで冷静さを取り戻しあることに気づいた。
「待って、『あのコ』って…」
「あの音の大きさ、足音…フレンズに決まってるじゃない。」
キタキツネはさも当たり前のように言う。いつもはマイペースなのにどうやればそこまでの能力が身につくのか。ギンギツネは軽くめまいがした。だが、すぐあることに思い至った。
「大変、外は吹雪よ。この辺に住むフレンズじゃなかったら死んじゃう!行くよ!」
「うん!」
珍しくキタキツネは乗り気だ。どうやってあのゲームのスコアを出したのかが気になったからというのが理由だが。
ゆきやまちほーは今日も吹雪だった 春の宮 杉庄 @24e5hayabusa
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