第10話さよならハッピーエンド! 10
幸い傷が浅いこともあって1ヶ月で
しかしすぐに
有菜に関しては流石に
本人もかなり反省しているようだし彼女だけではなく
「本当にごめんなさい。妹のしたことは姉である私の責任でもあるわ」
一番責任を感じているのはこの人だった。
しばらく刹菜さんは再び部屋に
学校はしばらく
神様のいない日々は退屈だけど昔と違い、誰かが常にいた。
うるさくてめんどくさくて―――でも嫌じゃない。
素直になれないのは相変わらずだが今も昔もアップデートされることはなくこのまま欠陥部品として残ったままだろう。まぁそれでいいんだけど。五日市なんかはしきりに付き纏うので「やっぱこのまま好きになっていいんじゃ」と不意に傾きそうになりますからね!
いつか思っていた
それから
「先輩、私と付き合ってくれませんか?」
でも―――断った。彼女を見て、感じ、そして悩んだ末での決断に泣きながらも納得してくれた。傷つけてしまった事実を隠さず、これからも後輩と先輩という仲として。
「やっぱり雨宮が好き」
ずっと知ってたからこそ改めて打ち明けられた
抑えてきた……抑えられてたか? と首を傾げはするもこうも表に出されてしまうと思わず吹き出して、
だからこそ俺も未だに残している恋心を告白した。
人を好きになった瞬間は年なんて関係なく青春だ。
あとは咲き続けるか、枯れてしまうかの二択。残酷、だけど美しい。
それから人生がそのページを書き込むことを終えるまで彼女のことを永遠に思い続けてその一生に幕を閉じたのだった……。
と、ここまでが最近まで見た夢の
この後青春第二幕キャンパスライフ編で高校以上に大胆に迫ってくる五日市とつい踏み込んでならないとこまで行ってしまい、気まずくなるまでが人気の理由となる。そんなアニメもラノベもない。ない。
差し入れのラノベも未視聴のアニメも消化済。思い切ってまた自分でSSでも書いてみようと
つまんないなぁ。
「雨宮さん。診察のお時間ですよ」
「はーい」
「うん。問題なさそうだね。
「え、そんな急に決めれるもんなんですか?」
つい聞き返してしまった。まだ続くのかーと思ってた矢先に入院生活最終回のお知らせ。嬉しいのだが明日ゲーセンいかね? なノリ過ぎて逆に不安なんだけど。
「大丈夫だよ。君もそろそろ飽きてきただろう」
「いえ、そんな……」
「まぁまぁ。高校生は学校で青春すべきなんだよ。私も高校の時はそりゃもう
あ、これ話長くなるやつだ。
見かねた看護師さんも思い出を語る先生をよそに「じゃあ病室戻りましょうね」と俺を連れ出した。先生ありがとうございました。
「そっか、終わりか……」
病室に戻った俺はほそりと呟いて窓のほうを見る。
ふわっと柔らかい雲が無数に浮かぶ
少しだけ視線を落とせば風に乗って桜の花びらが無数に舞っている。
病院前の桜並木から飛んできたのだろうか。見てるだけでも風情であるから見飽きず視界から消えるまで追っていた。
あと数日すれば四月。
去年の今頃は五日市と放課後に訳もわからない愚痴を言い合って過ごしてたっけ。不満を抱えつつも刹菜さんの件でじっと堪えて、新学期もこうなんだろうなぁと
それからの一年は楽しく、辛く、面白く―――いくら書いてもページが追い付かないくらいに充実していた。
神様と出会う世界なんて百回生まれ変わって一回当たるか当たらないかのとんだガチャ。リセマラし足りないくらいでそのうち
この世界を今の神様がどう見ているのか。
もし話す機会あれば訊いてみたい。本当に人の人生を操れるのなら振り回して楽しいか?
そんなところで生きていて
でも無理にでもこの世界からフェイドアウトさせられるなら
俺が望んだ世界からは遠のいたかもしれないし近づいたかもしれない。
強いて言うなら少しだけ望みと違うところはあるけど。
「会いたいなぁ」
君に。
十七年と少し生きてきた人生の全てを振り返っても、雨宮蒼が大好きと
もう望みはかなわないかもしれないけど俺は―――。
「やっぱ……会いだい……なぁ……」
言葉に出せばこうなるってわかってたのに。
やっぱり好きって難しいな、ほんと。
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