取り立て業務(終)
猿芝居はあっけないほど上手く終わったようだった。意気揚々と待ち合わせ場所に現れた男はハチがあらわれた3分後には泣きそうな顔になり謝罪を繰り返したという。ハチも男のあまりの情けなさに呆れ謝罪だけ聞いたらさっさと帰らせたらしい。僕としても穏便に迅速に事が終わったようで報告を聞いて安心した。
ハチからその報告を-5分で済みそうなところを20分も話されて-受けて彼女とも今後の返済やウチのカジノで働くことなどを改めて確認し僕の役目の9割を終えた。残りの1割は返済が滞らないことをチェックするだけだから滞らない限りはネットワーク上で済んでしまう。そうゆう客は多いがたまには会って脅しとかないと返済を踏み倒そうとしたりするところが厄介だ。実際に物に触れたり会うことの大切さは科学の進歩した今でも変わっていない。
予想通り彼女の受けはいいようだった。チップもそれなりに貰っているらしく。借金も前倒しで払ってくれている。血を抜くような取り立てをしなかったことは今回は正解だったと言っていいだろう。それに彼女はちゃんと仕事もしてくれているようだ。僕はモバイル端末で映像を見る。そこでは”薬のような何か”の受け渡しがされているように見える。
「旧薬、か。この情報は慎重に扱わなきゃいけないな」
いってきます、(仮題) @usothuki
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