第4話 美術の時間もレナ先生は無駄に卑猥だ
高校に入学して一週間が過ぎると、ある程度の人間関係が構築されるわけで、必然的に派閥というかいくつかのグループみたいなものが作られる。
部活の仲間であったり共通の趣味を持つ者であったり、そんな彼らは気の合う同士として休み時間に他愛ない会話で大いに盛り上がる。
趣味と呼べるような代物も無く、帰宅部として常日ごろから定時帰宅を最優先させている僕は、中学のころと同様に決まったグループには所属していない。
と言うか、むしろ孤立していた。
人間嫌いというわけでもないし、クラスの彼らみたいに群れたいという気持ちも無い。
面倒な人間関係は苦手だし、差し障り無く無難な立ち位置で日々を過ごせればそれで十分なのだ。
こんな消極的で人見知りの僕にも友人が1人できた。
僕の前の席の阿川タケル君。
ウェーブのかかった茶髪で長めの髪が印象的なイケメン今どき高校生。
そんな彼から「実は高校デビューなんだよね」とカミングアウトされ、一気に親近感が湧き、会話の弾んで仲良くなったのだ。
阿川君は中学のころから趣味でギターをやっていて、軽音部へ入部した。
お昼は軽音部の人たちと部室で食べて、そのまま練習に励んでいる。
そんなわけで、昼休みの僕は中学のころと変わらず1人で昼食を食べ、本を読んだり時には教室の窓から外を眺め「巨乳の女の子いないかなあ? 男子高にいるわけねーだろっ!」とキレのあるノリツッコミしながら過ごしているのだ。
さて、今日も自分で作った力作弁当をゆっくり味わうとしますか。
「いつも思うんだけど、有島の弁当って超うまそーな。おばさん、料理めっちゃ上手じゃん。オレなんか、中学の弁当いつも昨日の晩飯の残りだぜ」
「えっ? あ、ありがと。でも、これ作ってるの僕だから……」
隣の席の小木君に声をかけられ、びっくりした。
挨拶くらいは交わすけれど、これまで会話らしい会話をしたことが無かったから。
「げっ! マジで? すっげー。そういうのちょっと憧れるわー。料理できる男とか、モテるんじゃね? 有島は実際どうよ?」
「料理だけできてもね……やっぱりイケメン要素がプラスされないと効果薄いんじゃない。僕の実体験から言わせてもらうと」
そうなのだ。
実際、料理だけできてモテるなんてことはない。
中学の家庭科の時間、僕より背の高いバスケ部のイケメンエースが料理の腕前を披露したあのとき、出来上がった料理の味は二の次で僕は敗北した……。
ええい! いまいましい思い出が甦ってきやがった。
「そんなもんかねえ。で、有島は料理が趣味なわけ? 将来その道に進むとか?」
「いやいや。そういうんじゃなくて、ただ単にうち母子家庭だから。自分でできることは自分でみたいな。そんなノリだよ」
「あ、ワリィ。なんか無神経なこと聞いちゃったな」
小木君は本当にすまなそうな表情で頭を下げた。
その様子を見て、僕は意外に感じると同時に小木君はけっこう優しい人なのかも知れないと思った。
小木君はスポーツ推薦で入学したサッカー部員である。
ツンツンに立たせた短髪がトレードマークで、背も高く筋肉質のガッシリした体格だ。
声も大きく、普段はクラスのサッカー部連中とつるんでバカ騒ぎしている。
クラスのムードメーカーになりつつあり、イケメン軽音部の阿川君と並ぶ2組の中心人物的存在だ。
かなりお調子者の一面があり、もっと軽い人なのかと思っていたけれどそうでもないらしい。
「気にしなくていいよ。小木君、お昼は? いつもサッカー部のみんなと食堂で食べてるよね?」
「母ちゃんに、これ持たされたからさ」
そう言って彼は僕の目の前に弁当の包みを突き出した。
「あ、お弁当」
「学食代もバカにならないからな。節約だってさ。うち兄妹多いんだ。一緒に食ってもいいかな?」
「うん」
小木君は僕と向かいって座ると、弁当の包みを広げた。
「しかし、ホントすげーよな。そんなうまそうなの作れるなんて。ずいぶん手が込んでるけど、朝とか大変じゃね?」
「弁当は前の晩に作って冷凍しておくんだ。そうすると昼には調度よく、自然解凍されてるんだよ。うちの平日の家事はだいたい僕が担当してるから、さすがに朝の忙しいときに弁当まで作れないから」
「へー! すっげー頭いいじゃん」
小木君が大きな声で褒めるものだから照れてしまった。
僕にとって日常の家事は当たり前のことになっている。
いつごろからか、はっきりは覚えていないけれど、小学校4年生のときには台所に立って調理をしていた。
帰宅したら、まず洗濯物を取り込んでお風呂掃除、そして夕飯の準備というのが小学校高学年からの日課になっていた。
中学に入ってからは、自分のYシャツや母のブラウスのアイロンがけなんかもやり始め、平日は本格的に家事全般に取り組んでいる。
「有島が帰宅部なのって、家事が忙しいのが理由?」
「違うよ。単に協調性が無くて自己中心的なだけ。巨乳グラドル研究会とか、巨乳AV研究会みたいなサークルがあれば入るけどね」
「はははっ! うけるー。有島って面白いな」
面白いなんて言われたことは生まれて初めてのことで、少し戸惑った。
でも、正直嬉しかったし、小木君が豪快に笑うのを見ていると何だか僕まで楽しい気分になった。
「有島は巨乳好きかー」
「小木君は?」
「もちろん嫌いじゃねーよ。どっちかっつーと好きだな。でも手の中に収まるくらいで十分かな」
「理想を追わない現実主義者というわけだね」
「なんじゃ、そりゃ? そうか、それで有島は怜奈先生、狙ってるんだなー」
小木君が納得した顔で頷きながらニヤニヤ笑った。
「別に狙ってないし。そりゃ、先生は理想の巨乳だけどさ。どうこうしたいなんて考えたこともないよ」
「ありゃ? そーなの? だって有島、ボディーガードみたいにいつも先生守ってやってたじゃん。てっきり好きなのかと思ったよ」
小木君からはそんな風に見られていたのか。
と言うことは、他のクラスメイトからも……。
怜奈先生はすごく無防備だ。
教室内での胸チラ、パンちらは日常茶飯事。
見るに見かねた僕は、以前先生に「もうちょっと露出度の低い服装のほうが良くありません?」と提言したことがある。そしたら「この服装のほうが、私の美しさをより正確に表現できると思うの」とJカップのおっぱいを強調した悩殺ポーズで断られてしまった。
本人が見られることに無頓着な以上、仕方のないことなのだが、一部の連中がスマホで写メや動画を撮影し始めた。
もちろん先生に許可なく盗撮で。
さすがにそこまでするのは許せないという気持ちが高まって、彼らの行為を妨害する日々が続いた。
彼らはその度に舌打ちしたり、挙句の果てには僕にちょっとした嫌がらせまでしてくるようになった。
見かねた阿川君が間に入ってくれたことにより事態は収束し、彼らも盗撮行為をすることは無くなったのだ。
「いや、好きとかそーいうんじゃなくて。あの人ちょっとズレてるとこあるでしょ。見ていてほっとけないんだよね」
「ちょっとと言うより、かなりな。言動と行動のすべてがエロい方向にシフトしてる」
言いながら小木君は苦笑いする。
「だよね。無意識の時もあれば、あざとい時もあって。でも、怜奈先生の場合、いつでもそれが自然というかマジメというか……」
「有島、やっぱ怜奈先生のこと好きなんじゃん」
「だから違うってー!」
からかわれても悪い気はしなかった。
むしろ楽しいくらいで、こんな風に誰かと笑いながら昼食を食べるのは本当に久しぶりのことだった。
今日の7時限目の授業は美術。
これが終われば学校の勉強から開放され、家に帰ってゆっくりできる。
今日の夕飯、何作ろうかなあ……。
美術室の席に着き、夕飯の献立をイメージしながら担当の先生を待っているときだった。
「みんな、お待たせー」
美術室に入ってきたのは担当教師でなく、我がクラスのセクシーダイナマイツ、怜奈先生だった。
「鈴木先生がインフルエンザでお休みなので、私が代理を務めまーす」
やけに楽しそうに言いながら、怜奈先生はおっぱいをタユンタユンと揺らしながら僕らの前に立った。
「今日の授業は、私をモデルにして『しゃせい』してちょうだい」
「しゃ、しゃせい……」
男どもがゴクリと唾を飲み込む。
いや、ふつーに写生だろ。
美術の授業ということを思い出せっ。
「相変わらず声がエロいな、先生は」
「無意味に『しゃせい』を強調するから、欲情する奴が続出するんだよな」
阿川君と小木君が苦笑いする。
すみません。僕も反応してしまいました。
「それじゃ、みんな前に集まってくれる」
そう言いながら怜奈先生がスーツのジャケットを脱いで近くの椅子に引っ掛けた。
さらにブラウスのボタンを上から順番に外して――
って、なに脱いでるんですかっ!
ブラウスに押し込められていた豊かなバストが、ブルンと揺れてあらわになる。
真っ赤なセクシーなブラジャーに包まれた乳房は、今にもこぼれ落ちてしまいそうなくらいの膨らみを形成している。
ブラ姿の怜奈先生の巨乳を目の前にして、教室内は歓声に包まれた。
鼻息を荒くしたクラスメイトたちは我先にと前に押しかけ、先生の美しい下着姿を食い入るように見つめている。
さらに先生は、ファスナーを下ろしてミニスカートをゆっくり脱ぎ、透ける様な薄い生地の下着1枚になった。
「先生、ポーズ変えてみてくださーい」
「いいわよ」
先生は快くリクエストに答え、ポージングする。
ちょっと首をかしげ、両手を組んでバストをギュと寄せ合わせる。
こんもりと盛り上がった見事な谷間に全員の視線が釘付けとなる。
「先生、写メ撮ってもいいですかあ? どのポーズがいいかゆっくり決めたいし、あとで細かいところとかじっくり描きたいので」
よく言った! 許可さえもらえれば心おきなく撮影できるぜ!
「ええ、いいわよ」
先生が笑顔で答えながら上体を前傾し、よりいっそう自慢のJカップを強調した。
すげーーー!
こんな近くで、怜奈先生のおっぱいが!
先生が体勢を変えるたびに、ブルブルとおっぱいが揺れている。
乳揺れに教室中が歓喜する。
さらに先生は、立ったまま後ろを向いてTバックのお尻をツンと突き出し、上半身をひねってこちらを向いた。
垂れ下がる巨大な乳房が横からしっかり見える。
こ、これは!
おっぱいもお尻も堪能できる、1粒で2度美味しい神ポーズ!
教室中にスマホのシャッター音が鳴り響く。
写生はどこいったんだよ。
「撮影会になっちゃったな。ハハハ」
「なんのイベントだよ。ま、かなり目の保養にはなるけどな」
阿川君が言うと、小木君は頷きながらニヤっと笑った。
さらに撮影イベントはヒートアップを見せる。
「よいしょっと」
怜奈先生がブラを外し始めたのだ。
「うおおおーーー!」
会場? は熱気を帯びる。
器用にブラを外した先生は、両手で乳首を隠してこちらを向いた。
手ブラで支えられた2つの巨大な乳房。
先生の細くて小さな手から、横乳そして下乳が大幅にはみ出してなんともエロい。
先生がバレーボール並みのおっぱいをゆっくり寄せながら、手の指と指を組み合わせてポーズをとる。
さっきよりも、おっぱいが強く圧迫されて深い谷間が形成された。
前傾しながらそのJカップの谷間を僕らに披露し、先生が色っぽく微笑んだ。
「平安時代は、パイズリのことを『紅葉合わせ』って呼んだらしいの。こんな風に指と指を重ね合わせて、おっぱいを寄せた形を紅葉に例えたのね。平安時代はこうやっておっぱいを寄せて、男性器を挟んでいたのね。ふふふ」
ぬおおおーーー!
紅葉合わせだとーーー!
平安時代のパイズリだとーーー!
「せ、先生。教室で写生してもいいですか? 写メも撮れたので」
1人の生徒が前かがみの体をモゾモゾさせながら質問する。
「えっ? 教室で『しゃせい』したいのお? せっかく先生がモデルをしているんだから、見ながら『しゃせい』したほうがいいんじゃない?」
「いや、写真で十分です」
「あの、オレも教室戻っていいですかー?」
「あ、オレも」
次々に生徒が名乗り出る。
「ええ、いいわ。撮った先生の写真を見て、しっかり『しゃせい』するのよ。『しゃせい』が終わったら、美術室に戻ってきてね」
妖艶な笑みを浮かべながら怜奈先生が言うと、ほとんどの生徒たちが大慌てで美術室から出て行った。
「みんなー、走っちゃダメよー。もう、そんなに早く『しゃせい』したかったのかしら? よっぽど我慢できなかったのね。ふふふ」
怜奈先生、あなたが原因です……。
「いやー、静かになったね」
周りを見ながら阿川君が呟いた。
「怜奈先生を独占できて嬉しいだろ、有島」
「僕以外にも残ってる人いるから、独占じゃないし」
僕が答えると「それもそーだな」と小木君が笑う。
その時だった。
「きゃっ!」
怜奈先生が突然よろめいた。
とっさに先生を抱きかかえるが――。
「わっ!」
すでに倒れこんできた先生を支えることができずに僕は下敷きとなった。
「ご、ごめんなさい有島君。足がつって……」
先生のつらそうな声が聞こえる。
ぐっ、顔が圧迫されて苦しい……。
でも、すごく柔らかくて気持ちい……。
こ、この感触は。
紛れも無い、怜奈先生の巨乳だ。
先生のJカップで顔に押し付けられている。
なんという幸せ!
柔らかな2つの巨大な乳房に顔が挟まれ、グニグニと圧迫される。
スベスベしたおっぱいの肌触り!
そして、もっちり吸い付いてくるようなJカップの感触!
今、僕は理想である怜奈先生の巨乳に……。
い、息ができない――。
「おい、有島あ! しっかりしろー!」
「有島君、大丈夫?」
小木君と阿川君の声が聞こえた。
「ごめんね、ごめんね。有島君、しっかりして」
薄れる意識の中で、僕の顔を泣きそうな顔で覗き込む怜奈先生が見えた――。
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