――独特の距離感で少女たちの『声』が聞こえてくる。

音楽業界を舞台にしたラブストリー。

少女達との会話劇が中心かと思いきや、主人公の仕事や音楽に対するスタンスや、少女達に対する距離感が徐々にストーリーを深く、複雑に交差させてゆく。

ミステリーの様に「謎」を追いかけるモノではないが、「文芸」としての深みと、少女達とのテンポの良い「明るい」会話劇は、「ライト文芸」と呼ばれるジャンルに収まるものかもしれない。

いわゆるラノベや、漫画的な展開を期待する読者にはお勧めできないが、前記のような作品を求めている読者には、自信をもってお勧めできる作品だ。