殺し屋の仕事とは(天才目線)
昔から楽しみなんて無かったのだけど仕事であれ何であれ動物園には初めて来た。
ひーちゃんはグチグチ言ってたけど別に楽しいから良いじゃないかってね。尾行ってのはどうでも良い事だし。
ここだけの話別に娘さん可愛いとか美人って訳でも無いのに社長は親バカだからさ。
にしても…ソフトクリーム零す相手が居ないのは何でかな?
んー…ひーちゃんの事だから馬鹿みたいに捕まった?へー…よし、スタンプラリーしよ。
パラパラと資料を開こうとすると少し微風が吹き、紙がベンチに飛んだので取りに行った。が、自分が取る前にベンチに座っていた女性と思わしき人に拾われた。
本当は殺し屋というものは部外者との干渉はなるべく避けなければならない。
ひーちゃんみたいにグダグダ言ってる時間の方が無駄なのは分かりきってる。
……やっぱりスタンプラリーしたいし。
と言うことでやっぱりあの紙は必要。
『あの〜…その紙落としてたんですよ〜っ。拾って下さってありがとうござます?』
とそっと紙を受け取るために掌を差し出すように出すと…アレ…??紙を返してもらえない。
『……か………な…』
『はぃ?いや、ホントに返してくれませんか?』
モゴモゴとフードを被っていてよく声が聞こえなかった。
何故ならスタンプラリーが午後の5時迄だから。トラのストラップ欲しいし。ふと顔を見るといきなり
『お前か…お前だな!俺の兄貴を返せ!!!』
……俺?俺?と困惑していたら皮を脱いだひーちゃんで言うところの面倒な予感。今、現在首根っこを片手で掴まれている
。握力ある割に腕細いな…。俺より多分若いしね、
『まぁまぁ〜…俺には何も関係ないよ?だれぇ〜〜?』
少し笑って見せる。だってそう、関係が無いのだ。
『っ……お前のせいで…お前なんかが居るせいで兄貴がお前なんかに殺されなきゃいけなかった…そう、お前のせい…お前なんかが……───』
…………聞き飽きた。殺すべき相手だったから殺した。それ以外に何か?例えば、俺からその誰だっけ…を護ってみれば良かったのに。
俺は嫌悪なんか無いけど、湿っぽいのは嫌いなんだ。
そうして全て人のせいにする人間は弱くは無いと思う。多分、当然だから。
*俺は真っ赤になった資料を片手にもう少し歩くとしようか。*
相棒が色んな意味で天才なのに俺はどうしてバカなんだ!? 夕霧 夜薙 @Natsuml-0419
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。相棒が色んな意味で天才なのに俺はどうしてバカなんだ!?の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます