殺し屋の仕事とは(バカ目線)

12時半すぎ…。日が傾き始めた頃俺らは仕事に来ていた。

痛い位に視線を浴びる。まぁ、黒い服だから仕方ないか。

因みに

今日の仕事内容は…─社長の娘さんのデートに尾行!じゃねぇよ!なんで俺ら殺し屋が微笑ましいデートを見守んなきゃなんねぇんだよ。

『娘が心配』とか俺らにはもっと大事な任務があんだろうが…。

取り敢えず…なんで横の天才はあんなに楽しそうなんだ?片手にライフル持ってる癖に。

『よし、早く行こうか?娘さんもう券売機過ぎてるからね?』

そう言われて遠目で目を細め見ると下の動物園のパンフレットを貰い彼氏?男と歩いて園内に入っていた。

『環早く言えよ!?急ぐぞ!』

と勢い余って券売機と言うか定員にチケット2枚と言った筈なのだが何故か、怯えられてなかなか進まない。

『す、すみません!少々お待ちください!』

そんな事もあったが潜入に成功した。

俺らは双眼鏡を片手に茂みに隠れそっと観察を…──

したかったのだけれどそれは無理に近い事を知った。

尾行開始十分で警察に訊問され…、環が1人で尾行と言うか動物園を楽しむ…と言う結果だ。

『お先に行くよ?随分と此処楽しほうだからさ?』

と早々行ってしまった。勿論、尾行対象である娘さんはかなり遠くの麒麟を見ていた。しかも彼氏?と恋人繋で。

早々と終わって家でゆっくり酒でも飲もうかと思っていたのに…─なのに

警察から『は?』と言いたいような質問をされて頭が滅入る。

『名前は?』 『淡池 氷雨あわいけ ひさめです。』

言えねぇから偽名おうと思ったけど無理だ、嘘は苦手だからな。

『職業は?』『コンビニの定員ですね。』

殺し屋とか言ったら捕まるだろ。取り敢えず、コンビニ定員という事にした。

『趣味かい?その手のライフルは何かね?』『玩具ですね』

いや、ライフルです。と言いかけたが止める。危なかった。

『好きな作家は?』『あ…──ウイリアム・シェイクスピア??』

作家とかどうでも良いだろ!なんだよ、新学期の自己紹介か!?

『よし、趣味が合うみたいだから署に行ってじっくり聞こうか』

『ギャァァァァァァァァァァ!?』

と何故か、腕を掴まれて市警に行く事に…─

環…後は頼んだぜ!情報漏らす位なら歯の毒飲んで死ぬけどな!娘さんの事は頼んだ!




*こうして俺の長い長い半日はすぎて行く*

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