STAGE:17 仕事中でもウキウキウォッチ

 ふと気になって調べてみたら、『笑っていいとも!』が終わってから丸三年が経っていました。

 お昼の定番番組として長らく定着していましたから、なんだか終わったのがつい最近のことのように思えます。


 で、この『笑っていいとも!』。多くの人が一度は見たことがあり、何かしらの思い出があるかと思います。

 東京に住んでいる人なら収録していた新宿アルタ前で有名人を見かけた、なんてことがあるかもしれませんね(僕も一度プロレスラーの蝶野正洋さんを見かけたことがあります)。


 でも、僕にとって『笑っていいとも!』の思い出と言えば、ゲーセンでバイトをしながら毎日見ていたこと、これに尽きます。


 どういうことか、説明いたしましょう。

 ある日、店内に置いてあるジュークボックスが壊れてしまいました。

 ジュークボックスと言っても古めかしいものではなく、よくボーリング場にあるような、天井から吊り下げられたモニターに映像が流れるタイプです。

 ですので、基本的に店内のBGM用に使っていました。


 ゲーセンなのでBGMがなくても賑やかだと思われるかもしれませんが、やはりどこか寂しい。なのでせっかくだから有線でも引こうかって話もあったのですが、ふと誰かが「この天井に吊り下げられたテレビたちって番組は映るんですか?」って尋ねたんです。


 そこで調べてみたらちゃんと受信する。

 じゃあしばらくはテレビ番組でも流しておくかとその時はあくまで一時凌ぎと考えていました。


 が、テレビ番組を流すようになってから、ある異変が起きました。

 なんと、お店の中が常にお客さんでいっぱいになったんです。

 そう、ゲームをしていない人たちはみんなテレビを見て、お店から出て行かないんですよ。

 

 遊んでくれなきゃ収入にはなりません。が、お客さんが多く入っているとそれだけで活気が生まれ、より多くのお客さんを呼び込みます。

 そして例えば友人とばったり会ったりすると「お、久しぶり。せっかくだからなんか遊ぼうぜ」と売上げに繋がるわけです。


 かくしてお客さんの入りほどではありませんが、おかげで売上げも上がりました。

 結果、テレビ番組を流すのが常態化し、僕たち店員も働きながら『笑っていいとも!』を見たりして暇を潰すことが出来るようになったのです(オイ


 もう20年ぐらい昔の話であり、そのお店も潰れて今はありません。

 でも、きっとこの想い出はずっと覚えていることでしょう。

 なんだかんだで楽しかった日々。僕の青春の一ページです。

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