STAGE:13 たまにはこんな披露会
最近はあまりないかもしれませんが、昔はよくゲームが完成したら完成披露会なるものをメーカーが開催していました。
と言っても、その多くはプレス向け。
内容は基本的にゲームの最新映像が流れ、内容紹介、スタッフの開発苦労話というのが主なものです。
ただ、中にはちょっと変わったものもあって、それはいまだによく覚えています。
例えばPS2ソフトの『みんなのゴルフ3』。
こちらは都内のバーを借り切って行われました。
でも先ほど言ったような内容は一切なく、テーブルに出来上がったばかりの『みんゴル3』があるから、みんなでお酒を飲みながらやろうよ、というもの。
いやぁ、楽しかったです。
『みんゴル』みたいにタイミングを合わせる必要があるゲームの場合、アルコールは厳禁だと普通は思います。が、お酒で酔っ払うと、上手い人も下手な人も差がなくなって、ワイワイ楽しめるようになるんですね。
スコアは酷いものですが、これもまたひとつの楽しみ方だなと感心しました。
次に同じくPS2ソフトの『THE山手線』。
こちらはなんと車両を借り切って、山手線を一周するという内容でした。
もちろん車内では『THE山手線』のソフトが遊べるようになっており、製作者の向谷実氏のトークショウもありました。
この向谷実氏、フュージョンバンド・カシオペアのキーボード奏者でもあり、そこでMCをやっておられたことからもトークがとにかく面白い。
インタビューをしていても「あ、そろそろ新宿を通過しますね。みなさん、ちょっと話を中断して、車内からプラットフォームで待つお客さんたちに手を振ってみませんか? 滅多に出来ることじゃないですよ?」とか言い出したり、楽しませていただきました。
あと、野球ゲーム、特にこの時代はスクウェアの『劇空間プロ野球』のようにリアルなグラフィックによる野球ゲームが台頭し始めた頃でした。
なのでその完成披露会には野球選手が呼ばれることが多くて、野球ファンな僕は嬉しかったですね。
印象に残っているのは、元巨人の中畑さん(ゲームの中で解説を担当)が思っていたよりもずっと大きかったこと。その反面、元ヤクルトの古田さん(当時現役で選手会長)があまり自分たちと体格が変わらず、対応が僕たちゲームマスコミにもすごく丁寧だったことをよく覚えています。
スポーツ選手といえば『バーチャファイター4』がPS2で出る時にも、その前年の年末、アントニオ猪木が主催する格闘イベントにソフトが出展されました。
この時、僕は帰省していたのですが、このイベントの取材に行った同僚はセガの広報さんの計らいでアントニオ猪木に闘魂注入してもらったそうです。
う、羨ましい。僕も帰省せずに取材に行けばよかった。
また完成披露会とは少し違いますが、セガの『Rez』はテクノイベントにも出展していて、製作者の水口哲也氏のプレイで踊るというのも楽しい経験でした。
今思えば相当バブルっぽいことをしていますね(特にSCE)。
やっぱりあの頃は相当にゲームで儲かっていたんだろうなぁと、書いていてなんだか懐かしい気分になりました。
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