ゲームなんだよ人生は

ＳＴＡＧＥ：１２ 証拠品をつきつけろ！

　商売をやっていると何かしらのクレームを受けるものです。

　ゲームショップの場合だと一番多いのが「買ったゲームがちゃんと動かない」ってもの。

　この場合に考えられるパターンは基本的に３つで、

　１、商品の状態に問題がある

　２、お客様の本体に問題がある

　３、商品そのものにバグがある

　自分のお店だと動作確認をして１の場合だと謝罪して交換商品を用意するか返金。２の場合だとお客様にちゃんと動くことを説明して対応（頻繁にこの手のクレームを入れないお客様ならば返金も可。あるいは同じような値段の商品を購入していただく代わりに返金を受け付ける）していました。

　あ、もちろん中古の話ですよ。新品はさすがにメーカーに問い合わせしてくださいとしか、こちらも対応できません。

　３の場合はメーカーの対応を紹介していましたが、ＰＳ３時代になってからホントにこのパターンが多くて、こちらも把握するのが大変でしたね。

　お客様から「買ったゲームが途中で止まる」ってクレームを戴いて、そのタイトルが某メーカーの洋ゲーなら「パッチは当てましたか？」が初期対応なほどでした。

　そして二番目に多いのが「親の金を盗んで買い物をした」というもの。

　子供のお客さんが多いゲームショップならではだと思います。

　これ、僕は出来る限り返品に応じてあげていました。

　ただし、お客様自身に非があることを認めておられるのが条件で、また「今回限り特別に……」と伝えての対応です。

　でも、このクレームを入れるのは勿論子供のご両親さんで、多くは「大変申し訳ないのですが……」と事情を切り出されるのですが、中には「子供にこんな高いものを買わせるなんて非常識だ！」と怒る人もおられるんですよね。

　非常識なのはお金を盗んだ貴方のお子さんでしょう？　こちらはそれに巻き込まれただけですよ？

　なので僕のお店では子供のお客さんで、年齢的に高額な買い物をする場合には「こんなに高いものを買って大丈夫？　お父さんお母さんに怒られない？」って購入時に質問をしていました。

　そして先のクレームを入れてきた御両親様にはこちらのやりとりの録画映像で、お子様が「大丈夫」って返事したところを観てもらいましたね。

　自分たちはちゃんと確認をしている。それにウソをついたのは貴方たちのお子様ですと、証明することが肝要です（それでも怒鳴るような非常識な人は営業妨害なので、警察に対応してもらっていました）。

　ただ、いくらお客様が自分の非を認めていても、返金対応出来ない場合があります。

　それは新品のトレーディングカード。

　開封されていたらどうしようもありません。

　せめて当たったカードを高く買い取ってあげたいところですが、こういう時に限ってあんまりいいカードを引いてないんですよね。

　ですから、トレカのボックスを購入する小さなお子様には細心の注意を払って販売していました。

　あと、さすがに何日も経ってから「親の金を盗んで……」と言われても、さすがにそれには対応出来ません。ゲームなんてクリア出来ちゃいますしね。

　それから「うちの子が親の金を盗んで勝手に買い物をした。どうして止めなかった！？」と言われても、２０歳を越えた人がゲームソフト一本購入するのにわざわざ先のような確認なんかしませんよ。勘弁してください。