STAGE:6 死ぬがよい、なんてありえない!

 先月、とあるゲームセンターが閉店してしまいました。


 職場からちょっと離れたところにあるそのゲームセンターは、初めて発見して中に入った時、「おおっ、今時こんなゲームセンターがあるとは!?」とちょっと感激したぐらい、懐かしい雰囲気の漂っていました。


 最新の音ゲーやカードゲームに混じって、古臭いエレメカや、エアホッケー、二十年ぐらい前のレースゲームなんかが隙間を埋めるように配置されていて、思わず『レイブレーサー』を数年ぶりにプレイしてみたり。


 テーブル筐体がほとんど置いてないのが残念でしたが、あの雰囲気は今時貴重だったのでとても勿体無く思います。




 しかし、こういう街のゲームセンターって、ホントに見かけなくなってしまいましたね。


 僕が今住んでいる街に引っ越した時も、駅前にゲームセンターがふたつ、ゲームショップがひとつありました。

 

 が、今はそのどれも無くなっています。


 その中のひとつは今も看板が出ていて、その前を通るたびに賑やかな在りし日々を思い出します。

 ここのゲーセンでひたすら格ゲーの対戦をしたよなぁ、とか。

 初めてあのアクションゲームをクリア下のもこのゲーセンだった、とか。


 そう言えば店員がミスしてボタンすべてがボムになった『怒首領蜂・大往生』は意外と盛り上がったよな、とか。


 いや、最後のはあまりに特殊な思い出ですけど、面白かったですよ。

「お、『怒首領蜂・大往生』が入ってる! 懐かしいな」ってコインを投入してボタンを押したらいきなりボム。

「え、これがボムボタンなの?」とちょっと驚きながら別のボタンを押したら、これまたボム。

「ウソだろ?」と震える手で連射ボタンだと思われるものを押したら、またしてもボム。

 そこから必死になって弾避けするも当然生き残れず、店員さんを呼んで事情を話したら「えー、そんなはずないっすよー」って確かめるも当然全部ボム仕様。

「あ、ホントだ」と驚く店員さんと僕は思わず顔を見合わせて、次の瞬間に大爆笑しました。

 そんなに大きくないゲーセンだったから僕たちの笑い声にみんな集まってきて「ちょっとこの設定でどこまで進めるかやってみたい」とプチ大会になったのは今でもいい思い出です。


 僕は今『ぱらいそ』って街のゲームショップを舞台にした小説を書いていますが、いつかゲームセンターの小説も書いてみたいですね。

 その時の為に今から何のゲームを置くか考えておきます。

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