未知の道
草々緋美
歌う仲間
「そこにある道具はなんなのですか?」
トキはカウンター越しにアルパカに聞いてみる。
淹れてもらった紅茶。とても良い香りがする。
これを作るときの道具は見慣れているのでもう分かっていたのだが、棚の端にある道具を使っているのを見たことがなかった。
「これはね、紅茶以外のものを作るときに使うらしいんだけど、博士もまだ成功したことがないらしくてね。使い方がわからないのよ。」
「博士でも分からないことがあるのですね。知らなかったわ。」
「覚える量も多いし、何か特別なこともしなこといけないなくて。その特別なことはできればしたくないと言っていたのよ。」
博士はいろんなことを知っている。
じゃぱりとしょかんには、じゃぱりぱーくについてのことがたくさん詰まっていて、それを行くと教えてくれるのだ。
「この前自分でチャレンジしてみたんだけど、やっぱり全然わかんないからあきらめちゃった。」
きっとつば吐いちゃうくらい難しかったのでしょう、そう思う。
いつも紅茶を淹れてくれる時はとても慣れた感じだ。
でも裏では練習を重ねてるに違いない。
「今日はいつもより紅茶が苦くないのね。」
「そうなの。淹れ方を変えてみたの。葉っぱをね、早めに外に出してみたの。」
「いいわ、これ。気に入った。」
「ありがとう。喜んでもらえてーよかった。」
「この前、違う葉っぱを博士からもらったから、次はそれをお出しするわね。」
「楽しみにしてるわ。」
カフェにフレンズがやってくることが増えた。今日はたまたま他のフレンズはいない。
アルパカとじっくり話すことができる時間が多いのは嬉しい。
「そういえば、博士が新しいペンギンアイドルのライブを手伝ったって言ってたわ。ぺぱぷって言ったかしら。歌ったり踊ったりするみたい。あなたもそういうのやってみないの?」
「私はトキでペンギンじゃないから、難しいわ。でも、歌うアイドルは、とても楽しそうで興味があるわ。」
「なら博士に相談してみたらどうかな。」
「それはいい考えだわ。歌える子、ここに来てくれたら誘ってみるわ。」
「そしたらライブの横でかふぇをやりたいな。」
「是非そうしてほしいわ。なんだかここに来るのがますます楽しくなったわ。」
アルパカは新しい紅茶の準備をしていた。
いつもと違って軽くステップしてるので、私のライブを本当に楽しみにしてくれてるのかも。
ライブというのを見たことはない。
ペンギンのペパプのライブな気になる。飛んで見に行ってみようかな。
まずはこの紅茶からイメージを膨らますわ。
未知の道 草々緋美 @Kusa2_hibi
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