第3話 神ゲーへの第一歩

あれから一週間が経った。俺達は今森を歩いている

「もう疲れました!前絵木さん!そうだ!休憩にしませんか?」

「バカを言うなもう1週間経ったのにまだ森だぞあと何日森を歩くつもりだ?」

「だってぇ、むぅ」

そんな顔したって可愛くねーよ全く

この世界に宣戦布告したもののこれと言って目的もなにも決まっていないしかも調子にのって大声で叫んでしまったせいで1週間経ってもまだ喉が痛い。しかもここ1週間まともな食事もしていないから腹も減った

「なぁロマ」

「何ですぅかぁー前絵木さーん」

「もう魔物の住処でも良くないか?もう腹が減って死にそうなんだが」

「ダメですよ!そんな所行ったら私ゴブリンとかにあんなことやこんなことされちゃいますぅ!」

されねーよ

「聞き捨てならないねー」

いきなりどこからか誰かの声がした。声がした方向を見るとそこには人?がいた

「誰です!?」

「おっと、落ち着きなよオネーさん、私はインプのマーキェリーさ」

「魔物じゃないですかしかもインプ!男共を騙して魂を吸い取るビッチ魔物がどうしてここに!」

そう言うけどよロマ少なくともお前よりはまともだと思うよ、

「ビッ///違うわよ!私はまだ処..ンッン、と、とにかくその話聞き捨てならない」

「何の話でしたっけ?」

おい

「貴様が私達魔族を愚弄ぐろうしたことだ!」

「あ〜、ゴブリンの話ですか」

「そうだ!今すぐ撤回しろ!」

「はーいごめんなさい、これでいいですか?」

こいつ性根腐ってんじゃねーか?

「くぅ、おのれ貴様!がまぁいいわ!」

いいんかい!

「で?用はそれだけですか?終わったのなら去って下さい」

「いいやここからが本題だ」

何だ違う用があったのか、

「で?何です?早くしてください魔物と話すのは嫌いなんです」

「く、なんて腹が立つ女なのだ!」

激しく同意!

「前絵木さん?なんでそんなに首を上下に振ってるんですか?」

「まぁ用があるのはそこの少年なんだがね」

ん?

「俺?」

「そう君さ!君この前この世界に宣戦布告してたよね!」

「もしかして聞いてた?」

「うん」

「あ、あぁ、うわぁぁぁぁ」

「え!?何!?」

「マジか!マジか!マジかぁぁぁぐぅわァァ」

マジかやばいやばい恥ずかしいやつをしかも女の子に聞かれてたァ!

「な、なに?聞いちゃぁまずかった?」

「い、いやべ、べつにー」

「プフッ」

今吹いただろ!ロマァ!

そう思いながらロマを睨みつけた

「で、それがどうしたよ」

「私はこの世界に不満があるの!だからあなたの願い少しは協力してあげるわ!」

「へ?今なんて?」

「だ〜か〜ら、君の願いに協力すると言ってるの!」

「まてまて、何で君がそこまでするんだ?死ぬかもしれないのに」

「まず1つ、君がこの世界に宣戦布告したから」

もうだめだこの子、

「2つ目、神に喧嘩を売ったから」

そこもみられてたのかぁ!

「まてまてそこだよ俺が疑問に思ってる所は!」

「なんで?」

何でって

「神だぞ?あいつらこの世界に仇なす者全てを排除する奴らだぞ?」

「だからよ、君はそんな奴らに喧嘩を売ったんだ、その根性があるんだから私もついていける」

もうダメ、俺の脳は機能停止だ。この子の説明が単純過ぎて理解ができない、てかまず自分で言っていてなんだがよく俺、そんな奴らに喧嘩を売れたもんだ

「だから!私も連れてってくれ!」

そうマーキェリーが言った瞬間今まで黙っていたロマが俺達の間に入ってきた

「ダメです!そんなこと許しません!」

やはり言うと思った、でもまぁ確かにロマの意見にも一理ある

「何でさ!」

「何でもなにもあなたが魔族な時点でダメです!てか嫌です!」

「な、なんだと!」

そして彼女達は数分間お互いを睨みそして罵倒し続けていた。見かねた俺がとうとう口を開いた。

「なぁマーキェリー1ついいか?」

そう俺がマーキェリーに問いかけるとロマと争いながらも俺の問いかけに答えてくれた

「はい!何でしょうか!」

そうマーキェリーが答えた瞬間飛びかかっていたロマが動きを止めた。すると待っていたという期待の目で俺を見てきた

「前絵木さん!言ってやってください!」

俺は心の中で大きなため息をついた

「悪いなロマまだ連れてかないと断言できないんだよ」

「はぁ!?なんでですかァ!まさか前絵木さんこの悪魔に」

「頼むロマ、少し黙っててくれ」

俺がそうロマに言うとロマは怒りながらも素直に俺の言う事を聞いてくれた

「じゃあマーキェリー、さっきの話の続きだが、お前はさっき私はこの世界に不満があると言っていたがその理由を聞きたい、いいか?」

そう聞くとマーキェリーは少し顔を下げ暗い表情をしていた。

「聞いちゃまずかったか?」

「あ、いえ、大丈夫です。実は私の両親、神々達に殺されたんです。」

「!?」

俺より先に驚いた顔をしたのはロマだった

「ご両親は一体何を」

ロマが聞いてきたことにびっくりしたのか少し驚いた表情になった。だけどすぐに表情を変え話の続きをしてくれた。

「私の両親はインプの領地を統一していた、ようするに王だったのです。ですが王と言っても独裁する訳でもなく、もしかしたら神々が統一する人の国より豊かだったかもしれません」

「でもそんな良い国を創り上げた人がどうして」

俺は無意識に自分の疑問を声に出していた

マーキェリーはとても辛そうなそして悲しそうな顔で話してくれた

「ある日の事です私たちの家に1人の神が来たんです。その神は私の両親にこう言いました『貴様らは我々の化身の人間達をたぶらかす存在だ。だからこのまま放っておいては危ないので警告としてインプの領主である貴様らを処刑する』と言ったんです」

それを聞いた時俺は神とは一体何なのかと考えた。

「そんな!神達は確かに理不尽な所もありますがそれでも筋は通す方々です。そこまでするなんて考えられません」

「それでも!!奴らは私の両親を殺したんだしかもインプの国民達の目の前で!無惨に残酷に私の!私達の目の前で、殺したんだ」

それを聞いても俺達は彼女に一言も言葉を発せれなかった

「だから私は神々を憎む永遠にそしていずれ殺してやると誓った。そんな時に君を見つけたんだ、その時の私の目には君が私の求めた本当の神様に見えたんだ、だからこの人になら私の願いに近ずけるとそう思った」

なにも言えなかった。俺はただただ彼女を見ているだけしかできなかった。その時ロマがマーキュリーに手を差し伸べた。俺とマーキュリーは驚きを隠せなかった。

「な、なんだ!?」

「あなたの事を信用した訳ではありません!あなたは魔族です!私の大嫌いなね!この事実は変わりません」

「この期に及んでまだそれを!」

「でも!」

そのロマの叫びは少し震えていた

「でも、私は自分の目の前である1人の少女がこんなに悲しんでいるのを見て、放ってなんて行けません、どうです?この落第した人間と天使とで一緒に世界壊しに行きませんか?」

さっきまでゴミを見るような目でマーキェリーを見ていたロマが笑顔で手を差し伸べている。そしてマーキェリーはそのロマの言葉に嗚咽を漏らし泣きながらも笑顔でロマのその手を取った

そんな涙ぐましく意味の分からない出会いで今後の俺の異世界生活が少しだけ神ゲーに変わったそんなに気がした





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異世界?クソゲーの間違いじゃ? 鼯鼠モモン @Momongamomon

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