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「特に大きな被害を被ったのはヨーロッパ諸国とインド、ブラジルです。そこに現れたテラーは、消えずにそこに住み着きました。他のテラーと違い知能があるのか、近寄ろうとするモノ全て攻撃します」


 説明を続けながら、涼は四つの写真を電子版に映し出した。それは、サイズこそ違えど同じ形をした、テラーのようだ。


「テラーは大きく分けて四つに分類されています。

  最も巨大で知能があり、かつ強いのがアルファ級――おそらくながら、全テラーの親のようなものでしょう。

 次に、アルファ級まで行かずとも、ある程度の知能と強さを持つものをベータ級。主要都市に現れ、より多くの被害を出しているのが、これです。

 次に、アルファ、ベータに及ばずとも学習機能が付いているものがガンマ級。

 最後に、最も出現率が多いのがデルタ級」


 説明を終え、涼は地図を日本に絞った。

 光は、三分の一になってしまったその国の上に、いくつかの線が引かれていく。


「日本も、当然被害を受けました。自衛隊の所有している武器では歯が立たず、主要都市部は壊滅。現在日本には、。そもそも、その存在自体がテラーによって破壊しつくされてしまったのですから、定義仕様がない。よって、今の日本は十二のブロックに区分けされています。それを更に六分割し、対テラー用のボーダーラインを敷きました」


 また画像が変わる。いくつかの線が薄くなり、代わりに日本列島を切断するように、六つの線が現れる。

 彼の声は教科書を読み上げるように淡々としている。こんなものは常識だと、そう言わんばかりに。


「一番苛烈な部分から、アルファベット順にA、B、C、D、E、Fと定義付けされています」


 六つの線に、それぞれアルファベットが浮かび上がる。


「かつての自衛隊――軍部は、現在はレーザー兵器の開発に勤しんでいるようです。

ですが、失われた数が多すぎ人手が足りず、設立されたのが、ここ、《英雄たちの船アルゴノーツ》です」

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