第6話
倒産してからは怖いくらいトントン拍子で沢山のものを失っていく。
家は当たり前の様に差し押さえられて、
ドラマみたいに借金取りがきて
妻と子供を連れて夜逃げした。
倒産前に友達にも金を用立ててもらって返せないから返してないまま。
誰にいくら借りたかなんて頭がこんがらがってすでに覚えてなかった。
親戚に相談したら「騙された方が悪い」と言われ、
誰もが話を煙たがった。
隠居親父は親父の兄弟が騙したからバツが悪く…
「知らん」と話を打ち切った。
妻の実家にも頭を下げに行ったら
「うちの子を不幸にしないで」と怒るばかりで金は一切出してもらえなかった。
妻も次第に金金言うようになり、
揉めて喧嘩ばかりになっていった。
ついに、
電気とガスのライフラインまでも止められて…
ある日帰宅したら妻と子供が結婚式の時の大切にしまってあった思い出のキャンドルに火を灯して電気の代わりにしていた。
こんなはずじゃなかったのに。
それを見た時に、
俺は悔しさと情けなさで倒産後に初めて声を出して泣いた。
翌朝、起きると、
妻と子供は妻の実家に帰るという置き手紙と離婚届けを置いて、
二度と姿を見せる事はなかった。
地位も、仕事も、妻も子供も、
友も、金も、家も、、、
何もかも無い借金だらけの男になった。
翌日、
最後に握っていたなけなしの金を持って、
弁護士の先生に自己破産の手続きなどをするための相談をしに行った。
ゼロから始まる金儲け ジュリエット @aroakaai
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