第5話~序章~
経営していた会社の運営が上手く行かなくなった。
原因は親父の兄弟で俺には叔父にあたる信頼してた人から騙されたことが引き金となった。
「小切手をきってくれないか」
叔父さんが静岡からわざわざ大阪にやってきて頼んできたのだ。
叔父さんは昔より少しハゲて太った印象だった。
「なんで小切手が要るんですか?」
という問いに、
「先物の新規事業があってな!
絶対すぐ返せる思うから昇ちゃんに頼もう思って。」と言った。
「なんぼですか?」と問うと、
「三千万やねん。あかんかな?」
前のめりになって期待の眼差しで迫ってくる叔父さんを手ぶらで帰らせるわけにもいかず、
会社の運転資金として予定していた大事な金を不覚にも小切手で手渡した。
その後、
叔父さんからの連絡も連絡先も無くなって叔父さんはとんずらという形で俺の前から親戚から姿をくらました。
親戚ということもあって、
借用書や担保やらも何も条件すら付けずにすんなりと三千万もの大金を小切手で渡してしまった俺にも落ち度は勿論あるけど、
まさかこんな事になるとは・・・
妻にも正直に話したが、
「どーするの?!!!子供小さいのよ!!」と怒るばかりだった。
支払いが滞ったままの会社はさらに滞って従業員を抱えているから出来る限り立て直そうと俺は頑張った。
けれども会社はどんどん傾き、
たかが三千万の資金繰りのズレからとうとう倒産してしまった。
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