サーバルちゃん観察日記

第1話

サーバルちゃん観察日記

00日目 かばん

ぼくと、サーバルちゃんの旅もひと段落ついて、暇にしていたところ、はかせたちに”のーと”と”えんぴつ”という物を貰いました。むかしのヒトたちは、この”のーと”にさまざまなフレンズのことを書き記していたそうです。

なのでぼくも、これからこの”のーと”にサーバルちゃんのことを”記録”してみようと思います。

1日目

今日はサーバルちゃんと二人でさんぽをしました。サーバルちゃんはぼくよりもとっても耳が良くて、ぼくが気づかないような小さな音も、その長い耳で聞き取ってしまいます。

サーバルちゃんは小さな音を聴く時、耳をピクピクさせるので、とても分かりやすいです。

3日目

今日はサーバルちゃんとライオンさん達と一緒に、ボールで遊びました。サーバルちゃんはボールに興味深々で、ライオンさん達が帰ったあともずっと一人でボールと戯れていました。ぼくはボールで足で使うのはあんまり上手くできませんでした。なので、これからみんなにかくれて、こっそり練習しようと思いました。

5日目

今日はサーバルちゃんといっしょにツチノコさんを山に案内しました。ぼくとサーバルちゃんはよく分かりませんでしたが、ツチノコさんは昔のヒトが残したさまざまなものをとても興奮して見ていました。とくに山にあった大きな三角形のものは、ツチノコさんでもなにかよく分からないらしく、帰り道に、サーバルちゃんとあれはなんだったのか、予想しながら帰りました。

6日目

今日はサーバルちゃんに、「さーばる」と「かばん」の書き方を教えてあげました。

サーバルちゃんは”えんぴつ”を持つことは出来ませんでしたが、なんとか指で地面に、「さーばる」「かばん」と書くことが出来ました。サーバルちゃんもとても喜んでいて、うれしかったです。

11日目

今日はサーバルちゃんと一緒にかみひこうきで遊びました。サーバルちゃんはぼくの見ていないところで、こっそり練習していたそうで投げるのがとっても上手くなっていました。でも、まだ作るのは苦手で、紙がヨレヨレになってしまっていました。今度は他のフレンズさんたちにも教えてあげたいです。

12日目

今日はサーバルちゃんと一緒に図書館に行きました。図書館の本に書いてあった”かみでっぽう”という大きな音の出るものを作ってみました。でも、サーバルちゃんはその音がとても苦手らしく、少し嫌がっていたので、悪いことをしちゃったなと思いました。

19日目

今日はサーバルちゃんといっしょにはかせに”しちゅー”という料理を作りました。

いつも通り、サーバルちゃんが野菜を切って、そしてぼくは”火”を使って料理をしました。前に作った”かれー”という料理に比べて少し大変でしたが、二人で協力して料理をするのは、とても楽しかったです。はかせも、いつもと違う味に満足してくれたみたいで嬉しかったです。

22日目

今日はサーバルちゃんといっしょにオオカミさんの”まんが”を見に行きました。”まんが”

を見るのは初めてでしたが、サーバルちゃんもぼくもとても楽しかったです。続きができたら、またサーバルちゃんといっしょに見に行きたいと思いました。

26日目

今日はサーバルちゃんにこの日記を見せました。サーバルちゃんは何が書いてあるかは分からないけど、自分のことが書いてあると知って。とても喜んでくれました。サーバルちゃんが喜んでくれると、なんだかぼくもとても嬉しいです。

28日目

今日はサーバルちゃんといっしょにペパプのライブを見に行きました。その後で。ぺぱぷといっしょに、歌って遊びました。歌を歌うのは、人の前で歌を歌うのは、少し恥ずかしいけど、とっても楽しいです。サーバルちゃんとも、二人でいっしょに歌いました。はかせによると、こういう風に二人で歌うことを、昔のヒトは”でゅえっと”と呼んだそうです。

30日目

今日サーバルちゃんに新しく水の上も滑れるようになったバスを貰いました。サーバルちゃんにこんな風にしてもらえるのは、とても嬉しいけど、みんなと別れるのは少し寂しいです。でもサーバルちゃんとの旅を通して、一人ではなにもできなかったぼくは、とても強くなりました。サーバルちゃんと別れるのはとても悲しいです。でも、またいつか、どこかできっと会えると信じています。これからの旅で辛いことがあったら、この日記を見てサーバルちゃんのことを思い出そうと思います。たとえぼくがこの海のどこかでヒトの住んでいるところを見つけても、パークでのぼくのナワバリは、いつまでもサーバルちゃんのとなりだから。

31日目

今日はサーバルちゃんといっしょに海で泳ぎました。海の水はしょっぱくて、みんなとても驚いていました。とくにサーバルちゃんは辛いのが苦手なようでとても、辛そうにしていました。新しい島でこれからサーバルちゃんのどんな一面が見れるか楽しみです。