異世界に転生したら最弱になっていた件
@tousiba
第1話 最強の最後
世界で行われた最強を決める大武闘会。
ありとあらゆる分野の強者達が集まる中、
それらをまるであざ笑うかの様に
優勝を掴んだ男がいた。
「...えー、では今回の大武闘会、
その優勝者にスピーチをお願いいたします。
鬼塚戯響さんです、どうぞ!」
周りから湧き出る黄色い歓声、
その中から出てきたのは
とても小さな男だった。
見た目はとても女々しく、
とても戦うようには見えなかった。
しかし、この場にいる人々はその光景を
知っているのだから、信じるしかない。
その歓声の中、男はゆっくりと話し出した。
「ご紹介に預かりました、
鬼塚戯響(おにづか ぎきょう)と申します。
今回はこの、『最強』の称号を頂けた事を
誠、嬉しく思う反面...こんな簡単に
手に入れて良いのかとも思います。」
男は話し続けた。
「この大武闘会は『最強』を決める大会、
つまり、それに相応しい方々が集まるものと
私はお見受けしていたのですが...
終わってみてどうでしょう?
私の目から見れば、その様な方は
誰一人としていませんでした。」
周りからは悔しさからか、
壁を殴る音や歯ぎしりが聞こえてきた。
「そこで私は確信しました。
あぁ、ここに『最強』はいないのだと。
なので、私は今この場で...
自害しようと思います。」
その言葉に辺りがざわついた。
当然司会は止めに入る。
「ちょっ、一体何を...」
司会が言い切る前に、
「...ガフッ!」
男の口からは血が滴り落ちていた。
どうやら既に自分に毒を盛っていたようだ。
「フフ...以前、異世界転生なるものを
耳にしましてね...そこならもしくは...
『最強』が...」
そう言い残し、男は倒れた。
異世界に転生したら最弱になっていた件 @tousiba
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。異世界に転生したら最弱になっていた件の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ネクスト掲載小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます