第6話ときめき

約束通りにランチを奢る藤井は、


「こんな所にレトロな洋食屋さんがあった何て知らなかった。なに・・おまえ1人でこんな所に来るわけ?」


「はぁ?来るわけないでしょ‼・・さすがに若い子を連れて来れないから諦めてたけど・・。」


「へぇー、こんな俺でも役に立てて光栄です。」


「・・・ハイハイ。」


注文していたナポリタンがくると


「うわぁ‼美味しそう‼」


「すげぇ~なぁ‼量・・ヤバくない?なかなかだぜ‼」


「頂きます。美味しい!」


「おん」


「さすが桐山さん。」


感心しながら言うと、亮が


「桐山?」


「ほら、一緒にプレゼンした時優しく対応してもらったでしょ!」


「あぁ~!何?その人に教えてもらったのここ?」


「そっ!!この前一緒に飲んだときにね。その時のお店も素敵だったなぁ~。」


少し想いだし頬を緩めていると


「あの人・・既婚者だろ?そんな人と二人で飲みいくのはまずいだろ!ってか、もしかして・・・」


「何?ただ飲みに行っただけ!それ以上はないし!!」


「それならいいけど・・気をつけろよ!何もないのに変な噂たったら・・大変だぞ‼️」


「分かってる。」


そんな事言われなくても分かってるのに、心がズキズキした。いつもはチャラい亮が真剣な目で言うから目を反らしながら言うと


「ならいいよ。お前がいない会社なんてつまんないだろ。」


急に今度は子犬のような目で言うので


「何それ?どうせ愚痴を聞いてくれる人が減るからでしょ?そういうのは、彼女にしてもらって下さい!」


ナポリタンを口いっぱいに放り込むと


「なっ!そうやって傷口を広げて‼️こう見えても俺ナイーブなんだぜ‼️」


「ハイハイ。めんどくさいナイーブさんね‼️」


「おい‼️なんだよ‼️めんどくさいって」

「ほら、早く食べないとお昼終わちゃうよ‼️」


拗ねながらもご飯を食べる亮を見て、私も急いで食べる。お店から出て会社に戻ると


「お疲れ様。お昼終わり?」

「桐山さん!?お疲れ様です。どうしたんですか?」

「少し用事で・・お昼まだだったら一緒にと思って」

「そうだったんですね。すみません。お昼もう食べて」

「いやいいんだ。」

「お疲れ様です。桐山さん。」

「やぁ~、藤井くん。お久しぶりだね。」

「はい、お久しぶりです。」

「二人でお昼?」

「そうなんですよ‼️ちょっと・・ツカサにお詫びランチを。」

「仲いいんだね。」

「桐山さん。前に言ったじゃないですか‼️同期だって。」

私が、少し動揺していると

「そうなんですよ‼️よく飲みに行くし・・俺家で泊まる事も多々。」

「ちょっと!」

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私の罪と恋 ワカン @waka

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