第21話
校門は開いていた。猛烈な日差しのせいで、校庭は白く輝いているように見える。3階建ての校舎は崩れていなかったけれど、遠くから見てもガラス窓がほとんど割れているのがわかった。乾ききった校庭を思いっきりペダルをこいで走り抜ける。
「うおりゃああああ」
「クショババー!」
ボロボロになった学校を見て、僕らは半ばヤケクソ気味になっていた。そのうち自然と競走みたいになって一階の職員室前までたどり着いた時、三人とも汗だくになっていた。もちろん、職員室には誰もいなかった。戸棚が倒れ、机はひっくりがえってめちゃめちゃになっていた。中に入って5年3組の教室を見たい気もしたけれど、いつ地震が来るかわからないからやめておいた。
「プールに行ってみない?」
英ちゃんが言った。
「そうだね、暑いし、もしかしたら入れるかな」
僕たちはプールに向けて自転車を走らせた。
「ワーオ!」
僕らは一斉に声を上げた。プールには綺麗な水がなみなみとたたえられていたんだ。
「今度色々とプールグッズを持ってこようぜ。ボートとか、浮き輪とか・・・」
英ちゃんがウキウキした様子で言う。僕もワクワクしてきた。
「水鉄砲とかいろいろありそうだよね。そうだ!サオリも来るかな?」
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