2013年11月某日消印 峠正茂
正直お手紙が恋しくてたまらなくなっていました。
外の世界の情報を知れるのも嬉しいですが、藤田さんが井上友里恵を追い求め、そして多くの方々が井上友里恵がいた事を忘れないように動いてくださっているのがわかるからです。
ご親族をはじめ、多くの方が井上友里恵の事が大好きなのだったと思います。あのように優しく、可憐な方はいませんでした。そんな井上友里恵を奪ってしまい私は世間に顔向けできません。
前のお手紙では世間では井上友里恵の事がどう思われているなどは書かれていませんでしたね。多くの方に取材を重ねている中でどのような形が浮かび上がってきましたか?
正直、私の中ではまだまだ井上友里恵が大きくなってきています。
最近思います。私が井上友里恵を殺したからこそ、多くの人の中で井上友里恵が永遠になったのではないかと。
ライブは数度見ました。しかし、井上友里恵はショウビジネスの世界では成功できそうにないとは感じていました。あまりアイドルは知らないですが、他の方に比べて輝いている何かがなかったようにも思えました。
そのままでは忘れ去られてしまう。本人にもその思いがあったのか、思い悩むことも多かったです。
私は井上友里恵を殺しました。永遠に、永遠に存在してくれるのでしょう。永遠に。井上友里恵はそれが望みだった。少なくとも私はそう感じています。
あなたの言う通りです。もう、何を後は償うだけなので書き記しますが、井上友里恵を永遠にしたのは私の意思ではありません。
儚く消えそうな井上友里恵がそれを臨んだのです。
私の中では大きくなり続けます。いずれ、許されるなら線香をあげに行きたく考えています。
~メモ~
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