第30話「僕の同郷の誰かが」

 僕らの高校には冒険科と商学科の2クラスがある。

 そう、普通科なんてものはない。


 そもそもこの世界に学校なんて制度はなかった。

 僕たちの住んでいるジャパニカ王国に10年ほど前に急激に広まり始めた。


 きっと誰かが広めたんだろうね、僕の同郷の誰かが。


 まぁ学校とはいえ大学や小学校は2年制だし、大学にいたってはこの街の1つしかない。

 そこに合格した姉さんって…まぁそれはいいや。


「じゃあ僕は商学科ですから、また放課後に」


「おう」


「じゃあね」


 2人は冒険科だからね。

 僕は危険なこととか無理。


 ーー


 商学科の教室に着いた。

 中に入ると先生に話しかけられた。


「ん? 山田太郎くんかい?」


「あ、はい」


「君は冒険科だよ」


「…え?」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る