第12話「どや顔だったわ」

「太郎って小さい頃は変な子だったわねー」


「現在進行形で変な母さんにだけは言われたくないですけどね」


「本当に太郎はどんなときでも変に大人びたなことを言ったりしてたんだから」


「はぁ、そうでしたっけ?」


 たしかに転生者だから、赤ちゃんらしいことをしなかったり前世の知識を無意識に言ったかもしれない。


「僕はどんなことを言ってましたか?」


「そうね…幼稚園のときにおねしょしたことがあったじゃない?1回だけ」


「ありましたっけ?」


 正直覚えてないな。


「そしたら急に飛び起きて自分のおねしょを見て、ふむふむって言ってて、しかもどや顔だったわ」


「それだけですか?」


「いや?たしかそのあとに、実に面白いってにやにやしてたわね」


「すいません忘れてください」

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