第1話:新しい来客

もっとも長い六年も過ぎてゆく、僕は中学に入った。

小学でいじめされることも知られたくないで、僕は相対的に遠い学校を選んだ。ほかといえば、僕は変えたいから。

もちろん、鈴木さんが同じ学校に入るわけがない。こんな夢みたいなこと、一度もリアルに望むことはない。それに、彼女がどの学校に入ったも僕は知らない。

いまは願望を叶うため、自分で行動をとる時期。

だが、主人公になるといっても、主人公は一体何か、具体はどんな人か。

今までの見たアニメと漫画で考えると、何のことに対しても一生懸命で、どんな状況に落ちても決してあきらめず、ずっとずっと前へ進んでいくだけ。それが普通の主人公かも。

それに目指すにはちょっとしんどい、僕は頑張りたくないひと。困難のまえだと諦めるのが最善、と僕は思う。

自分で磨く、時々そうも思うが、磨くにも頑張らなきゃだから、諦めた。

じゃあ、やっぱりなれないのか、主人公。

どうして普通でいたい僕が主人公になりたいだと?

当たり前だろうか。モブは確かに普通の存在。だが、普通過ぎて、逆に普通ではなくなった。

アニメの主人公が普通の生活を過ごせたいといいながら、どんどん非日常に飛び込む。何を考えるかさっぱりわからん。

いつまでこんなくだらないことを考えでも仕方がない。行動をとるのははもっとマシ。

これからが何が起こる、何が変える、何を知る、まだわからない。だからこそ、自分で歩く。


学校が変えても、僕が座る席は変わらない。まだその右前のとこ、ここは主人公が常にいる窓際の特等席とは一番遠いとこ。なんかいろいろの意味で僕の覆せない人生を語るように。

でも、その人生こそ、僕が覆せたいもの。主人公になる、そのために必要なもの、それはヒロイン。一応BLの主人公になるつもりじゃないから。

まだ入学ばっかり、が、僕はもうクラスの女子の名前を覚えた。

市ノ沢カレイ、坪川佐弥奈、猫垣ヒメ、沖泙芽衣、須内榊、大田原静、寒川里奈、出来野穂先、永島彩香、北上怜菜、品沢織葉、立小野佳那。これで12人、まだ一人……そうだ蜂谷かなんだかの。

放課後の帰り道、毎日僕がこんな無駄のことを考えて、だから覚えたか。友達もまだ出来でないので、他のやることはない。このまま家に着く。

玄関に来ると、靴の数に気づく。うちは僕と妹ーーのようにかわいいの弟と両親が。この時間帯両親はまだ帰れないはず。だったら、僕以外に見知らぬの二人分の靴がいるってことは。

ヒノエも迎えてくれていない。ヒノエはうちの、アラスカン・マラミュートという犬。

状況をそろって、答えは一つ。

お客が来た。

僕が帰るのを気づいたか、妹ーーのようにかわいい弟が迎えてくれた。ヒノエもそのあとについて、尻尾をゆれて僕を見ている。

「お帰り、にーさん」

「あ、ただいま。客人か」

僕が靴を指してるのことを察し、弟が満面の笑みで頷く。

僕の弟は、脇役乙子。いまは女装をしている、とにかくひどくかわいい。もし性別が本当に女だったら僕もシスコンになるくらいで。それに、乙子が男装のときもイケメン。男の子も女の子もうまく演じられて、家族によく褒められて、僕も比べられて、いつもダメと言われて。こんなことができる人本当に羨ましい。少なくともイケメンでいい。

「お茶、入れようか」

「うん、頼むよ」

軽く交わしたあと、乙子は踊るようにヒノエと自分の部屋に戻った。

かわいいけど、世話を焼くよね。

僕がさっさとお茶を準備し、乙子の部屋に持っていく。

ドアをノックしてみたら、すぐに開けた。

「よ、お茶」

「ありがとうね、にーさん」

いつも楽しいそうに、笑みを浮かべて僕からティーセットが乗せたお盆を受け取った。

「じゃあ、ごゆっくり」

「すこし待てくださらないでしょうか」

僕が踵を返すなり、後ろからそんな声が聞こえてくる。お嬢様っぽい言い方。

乙子もドアを閉じかけてるところで、手を止まった。

「どうしたの、メナちゃん」

僕より先に、部屋内のもう一人が言った。

「なんでもありませんわ、ただ、乙子さんのお兄様を伺おうと思ってですわ」

乙子も分かったように、ドアを開く。僕はかしこまった様子で中に入る。

部屋には三人がいる。乙子以外に、以前あったことある乙子のクラスメイト、堀川希美と見知らぬ顔の人。お嬢様口ぶりのは彼女からか、まったくそうは見えないが。

「わたくしはウィンスレット・ウィロメナでございます。お目にかかれてうれしうございます」

どうやら本当にこの人、ウィンスレット・ウィロメナのようで。なんか名前なげぇ、言いにくい。

「その、ウィンスレットさん」

「メナでいいですよ、わたくしの名前が言いにくいのはしっています」

突然下の名で呼ぶ!?なんというお嬢様だ。

「ええと、今が下の名で呼ぶのはちょっと、ウィンスレットで十分です」

「はい、大丈夫です」

なんだか気まずい、お嬢様とあまり話せないで。

「ウィンスレットはお嬢様ですか?」

ウィンスレットが目を見開かれ、すぐにも口を緩めて。

「ええ、そうですわ、わたくしは貴族のお嬢様で、今は庶民の生活も慣れようと思っております」

「そうですか」

そういわれてもね、どう見ても、口ぶり以外はまったくお嬢様には見えないで、これでもう慣れたといっていだろう。

僕が彼女をよくよく見て。容姿も目立たないし、むしろ普通より下のほうに。アニメでのお嬢様はだれもきれいなはずなのに。

「そんなに見られると、ちょっと照れてますわ」

僕の視線二気付いたか、恥ずかしくて顔をそむけた。動作はかわいいが、その顔とのバランスは……

こっとも気になってしまった、すぐに視線をさまよわせて。すこし不愉快の弟に目をとどまる。

「にーさん、もう終わったろう、邪魔だけど」

「はいはい、いま出るよ」

このまま居ても気まずいだけだ、さっさと出たいのはこっちだ。

「お兄ちゃん待ってよ。ねぇ、乙子、お兄ちゃんが参加でもいいだろう、乙子も男だし、これで二対二、ちょうどいいじゃない」

そんな中、第三人の堀川がそう切り出した。

「ん、別にダメでもないけど、にーさんは」

僕がもう一度部屋内に目を戻る。どうせやることもない、この機会で女の子と話すもいいと思う。

「わかった、一緒に話し合いね」

「やったー」

堀川は楽しいに見えるが、まさか、僕がここにいうことを望んでるか。もしかして……そんなはずないね。

僕が座った途端、ヒノエがこっちにしだれかかってくる。トークがこれで始まる。


「じゃあ、そろそろ帰っよか」

2時間ほど話し合って、もう疲れた。話が疲れるなんて一度も考えたことがない、女の子まじ怖え。

「うん、またね、希美ちゃん、メナちゃん」

「はい、また今度お会いできることを楽しみにしています、乙子さん」

「うん、またね、乙子ちゃん。そうだ、このお盆あたしが持ち出すね、台所に置くね」

ウィンスレットと堀川が立ち、堀川がティーセットを乗せたお盆も片付けたいようで。

「いいよ、僕がやればいい、客人にそんなことさせるなんて……」

僕が手を堀川のほうに伸ばして、皿を掴もうと、けど、堀川が力を入れたか、取れない。奪い合っている間に、皿が手の中からすべ落ちて、其の中に残ったお茶が直接テーブルに蔓延、被害がウィンスレットに及んだ。

「あぁ」

場のいるすべての人が呆気にとられ、何があったかすぐに理解出来でおらず。

「熱いですわ!!!」

「すぐお手洗いへ」

ウィンスレットの叫びに、僕が我に返って。ウィンスレットをトイレに連れ出した。

「乙子はへやを片付けてて」

「うん」

そういって、部屋から後にした。

ヒノエはただ尻尾を揺れて、僕を見つめる。

慌てでトイレ前に辿り、ウィンスレットが中に入って、僕は外で待っている。

中から衣擦れの音が聞こえて、なんか不要な妄想が出てくるそうで、僕がそう切り出す。

「あの、本当に、すみませんでした」

そっちも聞こえたか、一瞬音が消えたが、すぐにも続いて。

「どうしてですの」

「なにがどうしてなの?」

いきなり意味不明のことが帰ってくる。

「どうして、そんな簡単に謝れるのです、わたくしは理解できない、こんな辱めなこと一度もしたくないです」

何か焦ってような、ウィンスレットはそう言い。僕もすぐにその原因に気づいた。

「そうか、ウィンスレットはお嬢様もんね、自尊心高き、謝るなんてことしなもんね」

「……」

「けど、不思議ね、こんなに自尊心高いのに、庶民と接してくれて、偉いね」

「偉いなんか、とんでもないです……」

かすかな沈黙が訪れ、中から水で流す音が聞こえて、僕も続けなくてもいいで。

けど、今回はあっちから言った。

「わたくしは貴族だが、最近は庶民と近づきたいと感じます。今この時代では、貴族が庶民と仲良くのほうが称賛を得られてと知りまして……」

そこで言葉をやめて、僕の返答を求めていたがいないが分からない。

「僕は貴族のことはわからない、知りたくもないです。自尊心とか僕は気にしない、気にしても損してるじゃないですか。だって、めんどくさいですよ」

そう、気にするなんて頭の無駄使い、時間の無駄使い。どうして社会から生み出すものを気にする、それを自分自身に貫くのか。

「誰か来たか」

話の時間も惜しい、ドアからノックの声が聞き。乙子が出迎えているようで。

「初めまして、わたしはウィンスレット様のメイドです。お嬢様はどこにいらっしゃっておりますか?」

「おぉ、はい、今は手洗いにいます」

一人の女性が乙子と軽く会話をかわし、こっちに近づく。

女性はメイド服を身につけ、僕に礼儀をして、着替えの服を抱えて手洗いのドアをノックした。

「お嬢様、着替えの服は用意しました」

「いい、入れ」

メイドが僕に視線を向けてくる、僕はそそくさとここから離れて。裸は見られないね。

少し待った後、ウィンスレットが出てくる、もう制服じゃなく、ピンク色のドレスになっている。

「今日は本当にすみませんでした」

「うん……大丈夫です、お気になさらず。わたくしはこれで失礼しますわ」

それだけを残す、玄関まで行く、僕も送ろうと思って、ついていく。

「ここでいいですわ」

ウィンスレットがそう言って、メイドも制服を手にして僕に一礼すると、二人がさってゆく。

僕も廊下で止めて、ウィンスレットのシルエットを見る、ついでに外を眺める。

リムジンはないか。

二人が車まで行って、僕も家に戻る。乙子が玄関にくる。顔にかすかに曇っているに見える。

「メナちゃんはいったの?」

「うん、堀川は?」

すぐにも明るくの表情を浮かべて。

「手伝いしてくれたあと、行ったよ、にーさんに謝るといって」

「そうか」

ドアの外の風を浴び、僕はまだお嬢様のすがたを思い返す。

「また来るといいね」

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モブの普通の生活 サムサラ @Samsara

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