お饅頭…

紀之介

美味しいよ?

「お饅頭…食べない?」


 弥生さんに聞かれて、美卯さんは答えます。


「食べない。」


「美味しいよ?」


「─」


 沈黙する美卯さんに、弥生さんは確認しました。


「…太るから?」


「…」


「大丈夫だって!」


「え?」


「カロリーに関しては、問題ないから。」


「…そうなの?」


 美卯さんは、お饅頭が大好きです。


(カロリーに問題ないなら、お饅頭食べたい!)


 そう思った彼女は、弥生さんに言いました。


「だったら…食べる。」


----------


 しっかりお饅頭を堪能して、満足顔の美卯さんに 弥生さんが言います。


「じゃあ、歩きに行こうか。」


「…え?」


「ブタりたくは、ないでしょ?」


「カロリーは、問題…ないって、さっき。。。」


「─ ないよ。入った分、消費するんだから」


 美卯さんは、お饅頭を食べた事を後悔します。


「運動してカロリー消費しないと駄目なんて、話が違う!」


 そんな彼女に、弥生さんは 平然と言います。


「美味しいお饅頭食べたんだから、たった数時間 歩くぐらいの事で、暗い顔しないの!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

お饅頭… 紀之介 @otnknsk

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ