第3話 魔法を濫用する奴は……
こいつはこの家の主か!?
「じい、早くこの者を片付けなさい。」 片付けるって…。
仮にもというか正真正銘俺はニンゲンだぞ!? 荷物扱いなんてひど過ぎる。
「わかりました百合子お嬢様。」 こいつは百合子というのか。 思ったよりも平凡な名前だ。 「ぎゅぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
痛い!痛いっ!
テメー乱暴過ぎるんだよ!
「私のことを悪く思ったわね?こんなの軽い罰よ。」 ん? こいつは語尾を伸ばす癖があったんじゃないのか?
「そんなの嘘に決まってるじゃないの。ほんっと馬鹿ね。」
さっきから俺の疑問にすらすらと答えてくれてたのは俺の心の中を読ん でいたからなのか?
うひょー。 コワコワ。
「さあ、じい、早くして。」
俺の意識はまたしても飛んだ。
ぼふっ。 何かが柔らかいものの上に落ちるような音がした。
俺は薄く目を開けた。 わお柔らかい。 体を動かして上下運動をしてみる。
あっ、体に巻かれていた縄もいつの間にか外れている。
「ひょー!!」 その何か柔らかいものは何かの感触に似ていた。 そうだ、あれだ……!
「このクソ変態野郎がっ!」
うわわわわなんだ急に。 びっくりするじゃないか。 「邪魔だ、どけ。」
はい?
俺は何かの上に乗っているのか?
と、次の瞬間。 俺の体は宙に舞った。
綺麗な弧を描いて。
見事な投げで床にたたき付けられた俺は、やっとの思いで顔を上げた。
目の前には美少女が二人。 さっきの"百合子"とかいう奴とは違う。
だが、二人とも巨乳だ。 しかも、百合子よりも大きく、形も良い。
「「やあっ!」」 二人は急に声を揃えて叫んだ。
そしてなぜか決めポーズまでとっている。
「うわ、だっせぇ。」 俺の心の声は知らず知らずのうちに漏れていたらしい。
「何ですって?」 美少女コンビが振り返る。
目線が俺を突き刺す。 こっえー。 やっぱり美少女ってのは怒っても怖いんだな。 まだ笑ったところ見ていないが。
「さあ、成敗するのです。」「はい、お姉様。」 へーっ、二人って姉妹だったんだ……だったんだ……?
お姉様の前に何て言った!? 成敗だと? 誰をだ? 俺か!?
そうこうあわあわする間に二人は何かをブツブツ唱えている。
おいっ、マジでやめろっ!
やめるんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! こいつら魔法を濫用してやがる。 訴えてやる。
と、思った途端。
どすどすっ。 俺の目の前で二人が固まって倒れた。 巨乳だけがプルプルと動いている。
「おーい、生きてるか?」 俺は二人に恐る恐る話し掛ける。 反応はない。
普段だったら俺はここで怒る。 だが俺は気づいてしまった。
念願の巨乳を触れるということに。
よし、ここはなんらかの理由をつけて。 魔法を濫用しようとした罰、としよう。
俺はニタニタしながら大きなお山に向かって指を伸ばした。
お坊ちゃまな俺が異世界行ったら奴隷になって、なんと異世界を救ってしまいました。 ゆうちゃん @Yuucyann
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