28 第三部 鎖につながれた少女
アスウェル達は、逃げ切る事はできた。
だが、その代わりに帝国からは出られなくなってしまった。
今この国から出ようとするものは否応なく検問にかけられる事になる。
無視すれば、どうなるか分からない。
アスウェルは今日も一人で外出して、情報屋を得て、必要な品を買い込んだのち、隠れ家に帰って来る。
部屋では大人しくレミィが待っていた。
「アスウェルさん、あの……これを外してくれませんか」
レミィは首元に手を当ててこちらへ訴えかけるが、アスウェルには意味が分からない。
「何をだ」
「やっぱり、見えていないんですね。……何でも、ないです」
そう言ったきりレミィはこちらへ向かって何も喋らなくなる。
部屋には無言の沈黙だけが満ちた。
ずっと部屋にいてストレスがたまっているのかもしれないが、魔人であるレミィを外に出す事は出来ない。
もうしばらく我慢を強いる事になるだろう。
「私の心と繋いでいるせいで、アスウェルさんが……」
ぽつりとつぶやかれた言葉は小さすぎてアスウェルの耳には届かない。
帝国を出られたら、次はどこに向かうべきかと考える。
どこか、危険のない場所へ。
向かわなければならない。
ロード機能を使いますか?
一つ前のセーブ地点へと戻ります。
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