欧州の労働等は本当に理想的なのか?
前回は欧州の報道の自由は国際機関によって作られた虚像である事を報じました。
欧州の報道の自由は米国やロシア、イランよりも実際はかなり低い事が明らかになり、『国境なき記者団』もソロスなどのスポンサーによって操作されている事を述べました。
今回は、欧州の労働や就職実態について述べていきます。
よく、欧州の労働は素晴らしいと報じられていますが、先進国は大あれ小あれブラック企業が多い傾向にあり、特に英米はその傾向が顕著な傾向が強まっていると思います。
今回のエマニュエル・トッド先生の『問題は英国ではない、EUなのだ~21世紀の新・国家論~』で先進国全体の実態についての文章があるのでそれを掲載します。
“全ての先進国に共通する特徴の1つは、若者たちが社会的にも経済的にも押し潰されようとしている事。”
この文章からもお分かりの通り、どの先進国も若い世代が苦境に立たされている事が分かる。
そして、それを推し進めているのが資本主義であり、その資本主義が全体主義や金儲けの為ならデマを報じても良い状況になっている事です。
例えばアメリカの場合、大卒はいい給料をもらえるのに対し、高卒以下は大卒の3分の1以下しか給料がもらえない事…、そして大卒は高額なローンや所得推移制度によって長期で高額な奨学金ローンについて悩まされている事が挙げられます。
つまり、アメリカではイラク戦争など、海外で戦争ばかり行われた結果、国内に多額の借金が増加し、大企業は寡占化によってブラック企業化した事が上げられます。
ここで企業の寡占化とブラック企業について何故、関係あるかというと、寡占化されていない業種には新規企業が多く、競争したり給料を上げないと雇用主が直ぐに逃げてしまう事が挙げられるからです。
アメリカでも第一次ITバブル(90年代、初期のWindowsが出た時代。)の頃は雇用主を逃げられないように他の企業に転職を阻止する為、給料を上げ、競争意識を強めていた。
労働問題が出るとその企業が倒産される危険性が高い為、労働者の保護が確実に行って成長していった。
ところが、企業が寡占化されるとそのような傾向は殆どなくなり、倒産される危険性が急激になくなる為、高学歴化やブラック企業化が進行していく。
更に、倒産される危険性の低さから消費者のサービスも劣悪化していく。
つまり、寡占化が様々な弊害を生み出す事は承知のとおりであり、特にIT企業はその傾向がより一層強くなります。
そう考えると、寡占化=ブラック企業の根源と定義すると欧州や日本も当然、その傾向が出るのは至極当然の事です。
では、欧州の労働が理想なのかというとそんな事はない。
欧州では新卒一括採用がなく、経験者を優先して優遇する処置が強い為、大卒の若い世代にチャンスがなく、日本と同じ減点制社会(アメリカは先進国で数少ない加点制社会。他はカナダのみ。)の為、新規企業が出来にくい。
つまり、一定の世代以上しか良い就職が出来なくなる。
加えてフランスやドイツなどでは大企業による寡占化が酷い為、新規企業を更にやりづらくしている。
つまり、若い世代に失業率が極めて高く、労働環境も劣悪化するなどそういった問題が際立って出てきている。
因みにロシアでは実はLINEやマクドナルドの締め出しを行い、それが新規企業の参入しやすさを促している。
英国でもEU離脱により新規企業が増えており、世間で言われる程、景気が悪化していない。
これらの例から大企業による寡占が減少すれば新企業の参入が増加し、良い意味での競争意識が芽生え、寡占化も崩壊します。そういう事を考えると新規企業を生み出しながらも、大企業による寡占化をどれだけ減少するか。それが労働環境を改善する唯一の手段と言えるでしょう。
そして、欧州の労働時間についても指摘しておく必要があります。
欧州の労働時間は一見すると短く、生産性が高いように見えるがここに罠があります。
それは労働時間にサービス残業を省く手法です。
つまり、表面上は労働時間が短くても実際はサービス残業が多く、例えそれが良い労働だとしても一部の企業しかないと政治を見ればわかります。
フランスでは国民戦線躍進し一千万票獲得、ドイツや英国では難民に対する襲撃、フォルクスワーゲンなどの大企業の不正問題。
これらがどうして起こり得るのか、良い労働だけを見ても解決しない状況なのは確かでしょう。つまり、労働環境を良くしたければ保護主義と寡占化を防ぐ事が何よりも重要となりえます。
そうする事で、良い意味で競争意識が芽生え、保護主義によって産業が成長する事を促せるため、必然的に産業が栄える状況になり得えます。
よって、単に表面上の労働時間短縮や欧州の理想を見てもそれはほんの一部分だけであって、政治問題を見ないとこういった問題が見えてこないのです。
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