先輩たちに呼び出される、の巻
それから丙(ひのえ)は何事もなかったかのように教室に戻る。
相変わらず退屈な授業、俺が聞いていても意味のない授業。
丙は悪魔のことを思い出していた。
契約をすれば本当に超能力を使うことが出来るのか。あいつは俺の魂がこの世にある限りと言っていたが、もし本当に悪魔ならば契約した後に俺を殺すのではないか。まだあいつのことは信用できないが、放課後の屋上で俺を信用させるとはどういうことだ。
何事もなく時間は過ぎていき、放課後まで残すところあと1限の休み時間。
勢いよく教室のドアが開け放された。
ガッシャン
「おい一年生、この学校にはそろそろ慣れてきたか」
朝見た3年生の先輩達だが、今度は人数が増えている。
「先輩、ドアを開けるときはもう少し静かに開けてくださいよ」
そう言ったのはこのクラスで俺の次にインキャの男、志村風助(しむらふうすけ)だ。
先輩(五十嵐)「何お前、俺たちのこと舐めてんだろ」
先輩(早川)「五十嵐、こいつ坂東をやったってやつだ」
先輩(鴉我(からすが))「白髪の1年って、こいつぐらいしかいないだろ」
志村は1年のくせに生意気に真っ白な髪をしてるから先輩に目をつけられやすいんだけど、先日とうとう先輩の1人を返り討ちにしてしまったらしい。
入学してから半年、志村が強いことはクラスの全員が知っていた。
丙:あいつ、強いんだから友達なんてめっちゃできそうなイメージだけどな。
先輩(五十嵐)「お前か、お前は特別授業を受けさせてやるから楽しみにまってろよ。」
先輩(田口)「今日は君たちの少し遅れた歓迎会の招待に来ました~、男子は放課後、ここの屋上に集まれ~」
丙;放課後だと?やめてくれ、また面倒なことが起きそうだ。そういえば先週はB組の奴らが屋上に呼び出されてボコボコにされたって言ってたな。
いったい何のためだ。
志村「先輩、それ、行かなきゃいけませんか?」
先輩たちの顔がどんどん怒気を帯びてくるのが分かる。
先輩(五十嵐)「てめえは特別補講も付けてやるよ」
授業開始のチャイムがなり、先輩たちが帰っていく。
先輩達がいなくなったところで、先生が教室に入って来た。
「っち、んだよあいつら」
先輩がいなくなったところでようやく声を出せるようになったこいつは現在のスクールカーストの頂点に君臨している男、皆川宗太(みなかわそうた)だ。ちなみに丙は一番下で、志村はおそらく入っていない。
「男子たち頑張ってね~、うちら呼ばれてないから~((笑))」
女子のトップに君臨しているこいつは皆川の恋人、ということになってる立花朱音(たちばなあやね)
丙;志村を狙っているのは傍から見てもわかる、強い奴が好きなんだ。
先生「お前ら静かにしなさい」
生徒「先生ビビッて教室の外にいたよね」
先生「何を言ってる」
噂では、三年生のなかに教育委員会のお偉いさんの息子やら超能力なんちゃら委員会の息子やらが集まったグループがあるらしいが、おそらくさっきの先輩達がそのグループだろう。
その時間、クラスの男子は1人を残して全員ビビッていた、志村を残して。
メフィスト先生、俺に魔法を教えてください ノつき @notukisanzukuri
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