episode.4
「え、女の子?」
ユウの声に気付いたのか少女はユウ達の方を向く。
「だ、だ、誰?」
震え混じりの声と警戒体制を見て脅かしてしまったのだろうと気付く。サクは少女の方へと行く。少女はビクッと体を揺らして俯いた。
「大丈夫か?」
サクが柔らかく言うと、少女は遅れて頷いた。「良かった」と少女に向かって微笑む。しばらくして少女は顔を上げた。少女の紅の目がサクを見つめてビクッと驚く。同時に少女も驚く。サクは慌てて謝罪した。
「あ、わ、悪い。脅かすつもりは無かったんだ。」
「い、いえ、私のほうこそ……その……。」
間をわってユウが入ってくる。
「君、名前は?」
少女はまた、ビクッと驚き俯きながら
「…レン……です。」と小さく言う。ユウはニッコリ笑い、「綺麗な名前だね。」と言う。
「え、そんな綺麗な名前じゃないです。」
「大丈夫、綺麗だよ。」
そう言うとレンは顔を赤らめた。
「僕はユウ。こっちは、サク。ごめんね脅かしてしまって。」
「い、いえ、大丈夫です。あ、あの、さっきの警報って何ですか?」
「え?」
レンの質問にユウとサクは目をあわせる。この町に住む者なら“実験”警報を知らないハズが無い。
「“実験”警報だよ。環って言う染を発生させる兵器が宝弓の森に出たんだよ。知らない?」
「環?染?何の話ですか?」
レンは、戸惑いながらユウに聞く。
「だって、君は「レミハレク」の病人じゃ…。」
「「レミハレク」って言うんですか病人のことを。」
「違うよ!「レミハレク」はこの町で、僕達はーーー。」
言いかけた時、サクが剣を構えた。その姿に2人はゾッとする。サクはレンに向かって言った。
「レン、アレが染だ。よーく覚えとけ。」
サクの目の先に10mほどの大きさの灰色の怪物が立つ。そしてツタがウネウネと動き、大きなラフレシアが咲いていた。
「縛って首を捥ぎ取る「ファルファーム」だ!!」
gray.king_灰の王_ 悠桜 @gray_ri
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