紫を畏れる

 水面に落とされたなにか。

 波紋は暴れ、伝い、眠る。

 やがて眠ることは分かっている。

 それでもやはり、拭いきれぬ異物感に、顔を顰める。

 

 結果を追い求めるあまり、手段は選ばない。

 わからない。

 目的地に辿り着くのであれば、道のりは厭わない。

 わからない。

 

 時にそれは、間違いではなくなる。

 

 常識には、成り得ない。

 

 穏やかな水面には、静けさとともに、安堵が満ちている。

 

 紫を受け入れるには、小さすぎる器だろうか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アイリスの花言葉 屋根裏 @Atc_Strtl

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ