すべてのテディベアを殺せ

作者 枕目

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★★★ Excellent!!!

好きなアーティストがごく当たり前のことを言ってもすぐに感心する。
同じことを親が言っても何も響かない。人が殺されてもテレビのニュースを消したらおしまいだ。SNSに「ご冥福をお祈りします」と書ける程度には他人事なのだ。自分たちの実感なんてその程度のもの。骨に響き、身を斬る痛さなんて目前に迫らない限り何も伴わない。多くの人はこの主人公と同じで、見たいものしか見ず、聞きたいことしか聞かず、見たくないものには菓子やテディベアをかぶせている。何てリアルなんだろうとは思うが、それですら虚構であるこの構成。たまらんです。

★★★ Excellent!!!

短編に長い文を添えてどうなるというのだろう。
ただ、私は短文がとても苦手だ。

何一つ、予想外の事は起きない。
それこそが悲劇のリアリティだ。
それはホラーのリアルでもある。

主人公性を剥ぎ取り、御都合主義を剥ぎ取ると、
他者に対する怠惰、相手の最適に対する怠惰は、
ごく「普通」に、その「運命」まで怠惰にする。

「なぜコイツを区別しなきゃならないんだ?」
いつだって、世界はモブのモブらしさの味方だ。

人にとって、人とは経験の産物としての技能だ。
前世であれ貰い物スキルであれ、技能こそ個だ。
ならば、英雄になる前の英雄は、こんなものだ。

彼は、英雄で居られるだろうか。
それとも、道半ばで止まるのか。

この「体験」の持ち主が、「技能」の持ち主だ。
それを借りるだけの物は、その道具でしか無い。
彼は英雄のように平凡だ。

大きさとは、区別もされない頭数のことである。
偉大さも、例外ではない。

< 最後は運だけどな それを言っちゃ御仕舞よ

★★ Very Good!!

子供の頃していたゲームを思い出します。

テディベアとは似ても似つかない敵キャラをやっつける。
というのは、とても面白くて。

お菓子を食べながらしていたような記憶があります。

子供では、ない今。

ゲームというのが、一種の産業化しているという

ニュースのようなサイトがあるのは、

特段意識せざるをえないでしょう。

★★★ Excellent!!!

主人公に与えられた仕事はゲーム感覚で視界に入るテディベアを撃つこと――簡単なように見える仕事だが、その視界は検閲されていて――というストーリー。
その仕事内容と世界観・設定に引き込まれます。

その結末に、読後にいろいろなことを考えさせられます。

あなたはこの仕事をやってみたいですか?

★★★ Excellent!!!

ゲームと現実。生と死。画面の中の戦争。生きることの意味……。作品の中にあるテーマはSF的でシリアスですが、主人公の男の突き詰めて冷めた視点と、とにかく読みやすい文章でぐいぐい引き込まれます。

自分にはゲームくらいしか取り柄がないと思っていた男は、その才能を生かした職に就いたことで人間としての生きる実感を手に入れることができるのか、それとも……。
中盤の淡々とした描写からの終盤の一気に転がり落ちていくような展開は刮目です。

★★★ Excellent!!!

本作はある一人のゲーマーの話だ。
ひきこもりだった彼は、ある日得意とするFPSの腕前を活かしたゲームの仕事を見つけてくる。
その内容は彼がログインしたゲームの中でテディベアを撃ち殺していくだけ。
たったそれだけで、彼の口座にかなりの金額が振り込まれるというものだ。

しかし、彼は気付いていなかったが、実は彼が本当に殺していたのは…………。

と、普通ならそういう展開になりそうなのだが、本作はそういった話運びはしない。

主人公は自分が殺している物の正体を最初から把握していて、それを労働と割り切っているのだ。
「神経コン」や「ポリアンナ」といった近未来技術のサポートを受けた彼がテディベアを殺していく様子は鬼気迫るといったものではない。むしろ、普段の生活と変わらぬ落ち着いた様子である。

その淡々とした語り口に、読者も「近い将来こんな世界が当たり前になってもおかしくない」と作中で書かれている様々な歪みをスルーしてしまいそうになる。

設定面だけではなく、異常な状況を日常の延長線上であるかのように見せかける筆力も含めて、実に面白いSFだ。

(必読!カクヨムで見つけたおすすめ5作品/文=柿崎 憲)

★★★ Excellent!!!

非常に読みやすく、入り込みやすい文体で、あまり小説を読まない方にもお勧めできる作品です。
話の流れも簡潔に纏められており、読むにつれて先の展開も予想しやすい作品ではあります。

ですがそれ故に、描かれた結末は心に刺さり、作中では描かれなかった彼のその先は、想像すれば想像するほどに、この作品の印象を強くさせると思われます。

★★★ Excellent!!!

神経コンやその他のSFガジェットの説明が非常に理解しやすく
物語世界に入ってきやすいです。
なんとなく虐殺器官の冒頭の人工筋肉でバイスを思い起こしましたが
それよりも理解しやすいし読みやすいです。
提起されてる問題も今そこにある誰もが薄々気づいてるもので共有しやすいと思います

★★★ Excellent!!!

果たして、ゲーマーの男が体験する戦場は、ヴァーチャルなのか?

ビルに閉じ籠り、ひたすら指令を待つ男。
彼は、ゲームで高給を貰うゲーマーだった。

戦場が現実なのか? 日常が現実なのか? 仮想現実がリアルになりすぎた時、人はどう行動し、どう思うのか?

先の読めないSF作品です。