エピローグ?
熱い。
暑いじゃなくて、熱い。
なんだ? 急激に熱くなっていく!
サウナどころじゃない、それを上回る熱さ!
意識が遠のいたらそのまま死んでしまう!
熱い、熱い!!
いや、全身が痛い!!
体から焦げ臭い匂いがしてきた!
まずい、これは、マジで死ぬ!
「かはっ! 助けて! うおああああ!!」
バタン!!
目の前の扉を蹴破り、脱出する。
もう力が入らない。
その場に倒れ込む。
「きゃあああ!!」
「リクシン!!」
「水、水!!」
「《ウォーターフォール》!!」
ザバァァァ!
上から大量の水をかけられた。
それでもまだ全身が痛い。
目は開くが、視界は真っ白。
「《キュアウーンズ》!!」
俺の視界が眩しい光に包まれる。
だんだん目が見えてきた。
しかしまだ全身が痛いのに、無理やり抱きかかえられた。
「リクシン! リクシン! しっかりして!」
「リク君!」
「りっくん!」
視界がはっきししてくると、目の前には見知らぬ乳が。
ああ、オリティアだった。
どうやらオリティアに膝枕されてるらしい。
視線を下げるとクラウが俺の胸に。抱きつかれているようだ。
右腕もタタミにしっかりホールドされている。
何だここ、俺は天国へ来てしまったのか?
「ヴェアロック様、これは。」
「うーん……なるほどねぇ~。」
転移装置を見る博士と助手。
なんだ、さっきの部屋か。
つまり……転移失敗?
「魔女様、どうなったんですか!? リクシンは大丈夫なんですか?」
「俺は大丈夫だよ、いてて。」
まだちょっと痛い。
しかしその痛みも飛ぶほどびっくりな発言をする魔女様。
「赤石の火属性魔力が強すぎてぇ、りっくんが丸焦げになるところだったみたいねぇ。」
「おいおい予想しておけよそれくらい!」
「ごぉめんねぇ。」
笑ってやがる。
悪びれる様子全くなし。
「じゃあ赤石で転移は出来ないって事ですか?」
クラウが質問する。
まさか今までの行動は無駄足だったのか?
「そんなことないわよぉ、火属性を中和する魔力があればぁ……」
あ。
俺この後の展開読めた。
「はい。」
「はいどうぞ、りっくん。」
「中和するには水属性、つまり『青石』が必要だって言うんじゃないだろうな。」
「お、正解~。よくわかったわねぇ。」
「「「「…………」」」」
「「「「ええ~~~!?」」」」
勇者俺の第二クエスト!
【隣国から魔法石を盗む】
……まだまだ帰れそうにないわ。
もしもカードゲームが流行ってる異世界に、デュエルガチ勢が転移されたら。 えのき @enoki_com
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます