さよなら グーター 後編
眠っているミキに自身を同化して行く。
まずは、彼女の中にある不安定な意識へと辿り着かねなならない。
意識を探り、見つけなければいけない。
それは想像以上に険しい道程だった。
東京にあるはずのディ◯ニーランドを探しているような感覚だった。
ワンフレーズしか覚えていない歌のタイトルが解らないようなもどかしさだった。
それでもようやく探し出し、彼女の意識と対話することが出来た。
・
「ミキ、聞こえるかミキ」
「……ぐーたぁ……?」
「うむ。ミキはタクミを見つけたいか?」
「たっくんをみつけたい……」
「ならば俺が力を貸そう。タクミは直ぐに見つかるだろう」
「ホントに!! たっくんみつかる? ホントに?」
「うむ。見つけるために必要な能力は、既にミキの中にある。しかし残念ながらそれを引き出すのに必要な知能が欠けている。俺の力でその欠けた部分を補おう。星の記憶から必要な知識も流し込もう。その後は自分で考えるのだ」
「ざんねんなのをかんがえるの?」
「……いや、うーん。易しく言えば、一時的にだがミキは今よりもっと賢くなれるのだ。賢くなってタクミを探せるのだ」
「ミキ、かしこくなる! たっくんさがす!」
「よし。ならば始めよう。急激に力を流すので違和感も痛みもあるかも知れないが頑張れるか?」
「がんばるー!」
「同意が得られて何よりだ。では、行くぞ! 俺の力を受け入れるのだ」
「うんっ!」
ミキ がんばれよ
そして さよな……。
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