第3話

1学年は3クラスまであり、1クラス20人後半で構成されている、

机は前に5列後ろに5列の合計25席あり広い教室に幅広く置かれていた


「今年も花梨ちゃんと前後だといいねーー」


花梨と蜜柑は苗字がすおうとすずきで、大体の確率で前後の席配置になる

教室の黒板には席の順番が書いてあり数人の女子が集まって話していた。


「うちと花梨の間に誰かいる!!」


蜜柑は黒板を見て驚きが隠せなかった

花梨と蜜柑の間には誰か知らない須賀川と言う子の席だった


「須賀川さんて誰!」


蜜柑は敵対心を向けながら須賀川さんの席の方を見ると見覚えのある赤い綺麗な髪の女子が座っていた


んん?と須賀川の顔をよく見ると先ほど蜜柑が失礼をした女の子がこちらを見ない様に視線を泳がしていた


花梨は素早く須賀川さんの席へ歩み寄った


「貴方が須賀川さんですか?」


「はいそうですが、貴方は?」


「私は周防花梨(すおうかりん)と申します須賀川さんの1つ前の席になりました、そして先ほど須賀川さんに迷惑をかけた、少しお馬鹿な子で鈴木蜜柑(すずきみかん)と言います私たち幼馴染でずっと同じクラスなんです」


「誰がお馬鹿だーー!ニコニコ笑顔で変なこと言うのやめてよ!」


要らない情報までありがとう、と声に出せるわけもなくただただぎこちない愛想笑いをしていた


花梨は鈍感なのか鈍感なふりをしているのかわからないが、迷惑ですという愛想笑いをしたのにニコニコと続けて話をしてきた、


「須賀川さんの名前は何と言うのですか?」


「凛子」


凛子と言う名前を聞くと同時に蜜柑がズカズカと近づき凛子の手を握った、


「やっぱりリンリンだよね!前プロフ見たとき凛子って本名載ってたの見たんだ!うち昔リンリンのライブ見たときからファンだったんだ、あれだよあれ隣町の大っきいショッピングモールのライブ!」


凛子は名前を告げた事を早速後悔した、

がしかしここでバレると後が厄介な事になる事は分かっていたので言い訳を必死に考えて


「だから人違いです!凛子なんて名前どこにでもいますから何でさっきから決めつけるんですか?」


と少し口調を強めて蜜柑に諭すと蜜柑は少し考えている様子を見せて数十秒の時間の後、口を開いた


「オーラかな?」


「蜜柑ちゃんオーラってどういうことですか?」


蜜柑以外の2人が不思議そうに、心配そうに蜜柑の顔を見つめた、


「2人してそんな可哀想な人を見る目で見ないでよ何か私馬鹿な子みたいじゃん」


「馬鹿な子見たいじゃなくて馬鹿な子なのよ」


蜜柑と花梨の会話に笑いが込み上げクスと笑ってしまった

それを見た蜜柑と花梨がニヤニヤしながら凛子を見た、


「凛子さんも笑うのですね」


「うちも思った!何かクールな感じだから少し驚き」


またもや、やってしまったと後悔をした真顔を貫きそのうち2人が離れていくのを待っていたからである


「何かうちリンリンと仲良くなりたい!」


と凛子の机の前に回り込み真っ直ぐな目で見られると流石の凛子でも断る事は容易ではないのかため息混じりに頭を縦にふった


「私も須賀川さんとお友達になりたいです」


と自分もなりたいと花梨も机に身を乗り出し凛子にアピールした、

凛子はもうどうにでもなれという勢いで首を縦にふった


「でもリンリンは辞めてください」


凛子はリンリンと呼ばれる事だけは嫌がった


「了解仕った、ならうち凛子って呼ぶねうちの事は蜜柑でも何でもいいよー後敬語はやめようよ同い年なんだからさ」


「うんわかった蜜柑ちゃんって呼ばせてもらうね」


「私も凛子ちゃんと呼ばせていただきます、あっ私の事は花梨と呼んでくださいね」


と各々自己紹介が済む頃にチャイムが鳴り響いた

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

アイドルウォーズ マッキー @godmakki

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ