第2話 一目惚れ
「私あの先輩の事が好き」
沙奈が驚いた顔で私の方を向いた。
「華、あの人だけはやめといたほうがいいよ。とてつもないたらしだから」
分かった?と華の肩をトントンと叩くがまったく見向きもしない。
「私、一目惚れしちゃった」
「えぇ…まってどうしよう…」
青嶋先輩、3年の先輩。頭脳明晰で運動神経抜群。おまけに顔が美形のイケメン。誰もが羨む先輩のただ1つの欠点が、女たらしだっていう噂。
「あの先輩、また女の子泣かせたっていう噂じゃん!」
「きっと先輩と合わなかったんだよ」
華は夢を見るかのように青嶋先輩の方を見ている。青嶋先輩は何人かの男子と一緒にバスケをしている。その姿を見るだけに近くに来ている女子もいるほどの人気っぷりだ。
「いや、ねぇ華。泣かせたって意味分かる?痛い目にあわせたんだよ。本当にあれは見るだけがいいって」
「どうしたら私のこと知ってくれるかな」
「ねぇ華…」
沙奈はもうだめだとあきらめた。華は本気だった。
「好きだなぁ」
恋と欲す 白咲葵 @Aoi_Shirosaki
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