けもフレ勝手な考察

玄葉みつ (くろは みつ)

ルート1

ハカセに許可を得て、山へと立ち入ったかばんとサーバル。

そこで見つけた祠には、古ぼけた紙が置かれていた。



「なにこれー、なんてかいてあるの?」

「えーと...『人気動物園・ジャパリパークで噴火事故』...」



そこに書かれていたのは、ジャパリパークにて起きた顛末のすべてだった。


突然起きた火山の大噴火、アトラクションに流れ込む溶岩と飛び散るサンドスター。

飛散したサンドスターがフレンズに触れると、フレンズは少しの記憶だけを残し”別個体”として生まれ変わった。

観光客は避難するため港へ。しかしパーク内に残された痕跡にサンドスターが触れ、僅かなDNAから不完全な生命体「セルリアン」が発生。DNAの不足を補うため、他生命体のDNAを欲し暴走。

ジャパリパークは危険地域として、立ち入りを禁じられたのだった。



「なぜ、私はここにいるのでしょうか」

「かばんちゃん...」

俯くかばんに、いつも元気なサーバルも少し困惑の表情を見せる。


その時。

「やっと追いついたぞ、ヒト!」


そこに現れたのは、アライグマとフェネック。


「あなたがかばんさんですね〜、やっとお会いできました〜」

「その帽子、返してもらうぞ」

「えっ?」


噴火の際の記憶が少しであるが残っていたアライグマにより、「ミライ」というガイドの存在が語られる。

帽子と羽根は「ミライ」のものであること。

噴火事件の後、帽子を残して「ミライ」の姿は見えなくなったということ。



「一緒に避難したんじゃない?」

「彼女は”けもの”やこの場所を溺愛していたし、そうやすやすとジャパリパークを見捨てるとはどうも思えないのだ」

「そういうものなのかなー?」



その時、かばんの脳内に突然のフラッシュバック。



「ここは危ないよ、ミライさんも早く!」

「嫌です、私にはサーバルさんや他のけものさんを見捨てることなんて...!」

「!! サンドスター、危ない!」

「うわああああああああ」


少し大人びた姿の”サーバル”を守ろうとしたのだろうか、”緑髪の女性”が覆い被さるような姿勢になり、背中でサンドスターを受け止める。

しかし、こぼれたサンドスターがサーバルにも当たってしまう。

そこではっと意識を戻すかばん。



「どうしたのかばんちゃん!?」

「さ、”サーバルさん”...」

「えっ?フレンズなんだからさん付けは...」

「ちょっと待て!もしかしてお前...」



そう、かばんは”別個体”としてサンドスターに生成されたミライだったのだ。



その後、かばんやけものたちはジャパリパーク再興のため、各自の能力を持ち合わせ復興作業を始める。

ラッキービーストや図書館の記録も手掛かりにしながら、かばんの的確な指示により復興作業は少しずつではあるがスムーズに行われた。



数年後、一人の少女を乗せた船が港に到着する。

少女はわくわくしたように顔を紅潮させ、ジャパリパークの門を開く。



「ようこそ、ジャパリパークへ!」

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けもフレ勝手な考察 玄葉みつ (くろは みつ) @sketyte69

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